商標登録insideNews: KitKat foiled again in attempt to trademark four-fingered bar’s shape | Business | The Guardian

キットカット(Kitkat)のチョコレートの4つ指の3D形状については、自他商品を識別する機能がないとの理由で、英国控訴裁判所は控訴したネッスルの主張を退ける判断をしています。英国控訴裁判所の判事は、4つ指構造のチョコレートの形状はキットカットの形状として広く知られているが、それを以ってその形状がオリジナルであるとすることはできず、その形状だけで1つの提供者からの商品と認識されるものではないと判断しています。

Kitkait Four Finger Bar
Kitkait Four Finger Bar

The confectionery multinational Nestlé has lost the latest round of its long-running battle with rivals Cadbury to trademark the shape of the KitKat bar in the UK. The court of appeal ruled that the four-finger design had “no inherent distinctiveness”.

情報源: KitKat foiled again in attempt to trademark four-fingered bar’s shape | Business | The Guardian

判決:Société des Produits Nestlé SA -v- Cadbury UK Ltd

優先権主張を伴う商標登録出願

商標登録出願は、特許出願とは異なり、新規性などの出願の時間的な登録要件が審査されることは稀で、現実には出願日が問題となるのは先後願の関係ぐらいです。しかし、商標出願制度は先願主義を採用していますので、時を争って出願するような場合では外国からの出願には優先権の主張が伴う場合があります。商標制度で利用される優先権(priority)は、同盟国に先の出願日に出願したと同等の取り扱いを促すパリ条約の優先権で、特許制度のような国内優先権はありません。また、商標制度の優先期間は6カ月です。

1.商標登録出願の優先権が認められる要件

  • 出願人の同一性(商標登録出願の出願人が優先権証明書の出願人と同一又はその承継人であること)
  • 優先期間内の出願であること
  • 願書に記載された商標と優先権証明書の商標が同一であること
  • 指定商品・指定役務の全部もしくは一部に優先権証明書に記載された指定商品・指定役務が含まれること

2.優先権主張をする商標出願の記載方法

願書の「【代理人】」の欄の次に「【パリ条約による優先権等の主張】」の欄を設け、その欄に「【国名】」、「【出願日】」、「【出願番号】」を設けて国名、出願日、出願番号を記載します。

優先権主張の願書の記載例
優先権主張の願書の記載例

3.優先権証明書の提出

優先権証明書の提出は出願日から3月以内に「優先権証明書提出書」(特施規第27条の3の3様式第36を準用)に証明書を添付して提出します。欧州連合知的財産庁(EUIPO)やニュージーランド知的財産庁が提供するPDF形式の優先権証明書を印刷出力し(カラーのものはカラー印刷で)提出した場合には、優先権証明書の提出があったものとして取り扱われます。しかし欧州連合知的財産庁が発行するデータベースの抄録(Extract from the database containing European Union trade mark applications)は優先権証明書とは取り扱われません。

4.運用上、同一と判断される例

a.シリーズ商標を基礎とする商標出願

シリーズ(連続)商標は、インド、シンガポール、英国、ニュージーランド、ブルネイなどで利用できる制度で、1つの出願に商標のバリエーションが複数含まれるものを言います。優先権主張の基礎出願が他のパリ条約同盟国のシリーズ商標の出願である場合には、優先権証明書に記載される複数の商標の1つが優先権主張をする商標出願の商標と一致するか否かが判断されます。

b.米国の立体商標出願を基礎とする商標出願

米国の商標実務として、立体を表す商標見本に、陰影を表すために細線や濃淡を用いることが認められていますが、日本の実務ではこれが認められていません。このため優先権証明書と優先権主張をする商標出願の間で、商標見本の相違が、陰影を表すために細線や濃淡に過ぎない場合には、原則として同一の商標として取り扱われます。

c.標準文字からなる商標出願

標準文字を用いた場合には、各国の電子出願システムに応じた種々のフォントが用意されることになりますが、厳密にはシステムに応じて一致しないことが生じます。そこで運用として標準文字の場合には、フォントの違いを考慮せずに、実質的に同一商標として取り扱われます。また、日本では標準文字で使用される文字は全角文字だけですので、優先権証明書の商標が半角文字であった場合にも文字が同じものであれば全角半角を問わずに原則として同一の商標として取り扱われます。

欧州商標 審決取消訴訟 コーラボトルの立体商標は特別顕著性なし

EU:T:2016:94, The General Court, 24 Feb. 2016. The Coca-Cola Company vs. OHIM

欧州共同体商標として第6類、第21類、第32類を指定して出願されたコカコーラの瓶の立体的商標は、審査段階では、絶対的拒絶理由(absolute ground)で拒絶査定とされ、審判(The Board of Appeal)段階においても、特別に顕著なものではないとして、その拒絶審決が維持されています。特に欧州商標出願の対象となった立体商標は、「瓶の輪郭に装飾溝がない」商標(下図参照)で、一般に人々に良く認識されている「瓶の輪郭に装飾溝がある」商標ではないものでした。審決では、瓶の輪郭にある装飾溝は注目すべき特徴点であり、それがない瓶の輪郭は、関連する大衆の目を以て判断すると、装飾溝がある瓶の輪郭の自然な進化形とする見方を否定して、本件商標には商品の出所について直ちに直接に認識させるものではないとしています。また、審決では、出願人から提出された調査結果を疑わしいとしており、それは一般に認識された市場調査会社によってなされたではなく、前の社員が独立して起こした会社によるものであり、誘導する質問を含み、全体の合計が100%を超えていたり、加盟国の半分以下の国でなされていたりというレベルでした。

coka-cola bottle
coka-cola bottle

裁判ではこのような瓶の輪郭について、普通の形状のものからの僅かな違いは商標とすることはできない、それは一般人が出所の表示としてみることができないからであるとし、10の加盟国で市場調査されたデータを残りの国まで外延して欧州連合のすべてでとすることはできないとし、使用による特別顕著性はないものとして請求棄却しています。