| 商標権はどこまで有効か? |
登録された商標権は設定の登録日から10年間有効です。この10年の存続期間の終わりに更新登録の申請をすることで、更に10年の存続期間を得ることもできます。また分割納付を選択した時には5年です。この商標登録は日本の特許庁で行われるものであり、日本国内だけで有効です。商標権は一旦登録されれば財産権として扱われ、侵害する者に対して民事(損害賠償、差止請求など)及び刑事上(商標侵害罪)の責任を負わせることができます。ところが、このように商標権は強力な権利である反面、それを制限するための条項もあります。
1つは商標権は周知、著名な商標に対しては無力であり、登録商標と抵触する関係の周知、著名な商標がある場合、登録された事実を以ってしても周知、著名な商標にはまったく歯が立ちません。原則的には登録は過誤登録で、それは商標法第4条第10項、第19項に違反して登録されたものとなるでしょう。また不正競争防止法によっても手厚く保護されます。周知商標や著名商標は商標登録されたものに限らず、登録されていないものも含みます。逆に、商標を使用する人の究極の目標は商標を周知、著名とすることにあります。
次に、登録された商標であっても、登録異議申立て、無効審判や取消審判により権利が無かったものとされたり、取消しとなったりします。
またその他の制限として、登録された商標は、それと類似する場合であっても、他人の肖像、氏名、または名称、あるいは著名な雅号、芸名、筆名、それらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標に対しても無力です(商標法第26条第1項第1号)。この例外規定にはさらに例外規定(同条第2項)があり、他人の信用を利用して不当な利益を得る目的(不正競争目的)で自分の芸名を設定したときは、その芸名が著名となっても商標権の効力が及ぶことがありうることになります。
他の商標権の制限として、商標登録出願の出願日よりも前に出願された特許、実用新案、意匠の各権利については商標権は効力が及ばないものとなり、著作権との関係ではその著作の発生日が商標出願日よりも前であれば、商標権はその著作物に対して効力が及ばないものとなります(商標法第29条)。
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