商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#90

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「サムライン」9類 × 引用商標「SUNLINE」「サンライン」「サンラインスーパー」

1.出願番号  商願2009-47112
2.商  標  「サムライン」
3.商品区分  第9類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  登録第716760号、第728196号ほかの商標と類似する。

出願商標・商標登録第5277052号
出願商標・商標登録第5277052号
引用商標1・商標登録第0716760号
引用商標1・商標登録第0716760号
引用商標2・商標登録第0728196号
引用商標2・商標登録第0728196号
引用商標3・商標登録第1431231号
引用商標3・商標登録第1431231号

意見書における反論

【意見の内容】
(1)拒絶理由通知書において、本願商標は、下記1~3の登録商標と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定されました。
                 記
引用商標1 登録第0716760号(商公昭41-007684)9類ほか SUNLINE
引用商標2 登録第0728196号(商公平41-023621)9類ほか サンライン
引用商標3 登録第1431231号(商公昭54-047007)S34年法第11類 サンラインスーパー

 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であると考えますので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べます。

(2)本願商標は、願書の商標見本から明らかなように、片仮名で「サムライン」と一連に書してなるものであり、第9類「電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」などを指定商品とするものであります。
 これに対し、引用商標1~3はいずれも日立ライティング株式会社の所有に係るもので、引用商標1は欧文字で「SUNLINE」と書してなり、引用商標2は片仮名で「サンライン」と書してなり、また、引用商標3は片仮名で「サンラインスーパー」と書してなるものであり、共に本願とは共通の類似群11C01「電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」ほかを指定商品とする登録商標であります。
 したがって、本願商標「サムライン」と、引用各商標の「SUNLINE」、「サンライン」、「サンラインスーパー」とは、外観上異なり、同一又は類似することはありません。

(3)また、本願商標の「サムライン」と引用商標の「サンライン」は、共に特定の観念を生じさせない造語であり、観念上比較すべくもないと思料しますが、敢えて意味合いを探れば、前者が「someline」に通じて「幾つかのライン(線、筋)」を観念させ、後者が「sunline」に通じて「太陽の(光の)ライン」などを観念させるものでありますから、両者は観念上も同一又は類似することはありません。

(4)そこで、称呼の点につき検討しますに、本願商標は、片仮名で「サムライン」と書した態様より、唯一「サムライン」の称呼を生じるものでありますが、引用各商標は、その態様より、いずれも「サンライン」の称呼を生じるものであります。
 したがって、本願商標と引用商標とは、称呼上比較的重要な位置を占める第2音目において、比較的強く発声される「ム」と、第1音目の「サ」に吸収されて弱く発声される「ン」の差異を有するものであります。
 しかして、その差異音である「ム」は、「mu」と表記して明らかなように母音「u」を有し、口をすぼめて息を吐き出すように発声する音であるのに対し、「ン」は、「n」と表記して明らかなように、母音を伴わず口をつぐんで発声する音でありますから、その発声方法を異にする異質の音といえるものであります。
 そして、そのアクセントも、本願商標が一音一音明瞭に発音されて強弱の別なく「サ・ム・ラ・イ・ン」と称呼される傾向にあるのに対し、引用商標は2音目の「ン」の存在により、「サ」と「ラ」の音が引き立ち、前後を2音節に区切って「サン・ライン」と称呼される傾向にあるとともに、「サ」の音及び「ラ」の音(特に「サ」の音)が強く発音される傾向にあります。
 したがって、両者は、語感・語調を全く異にする異質の商標であって、十分に聴別し得るものと思料します。しかも、これら両者は一連に称呼しやすい5音という比較的短い音構成からなるものであり、そのため上記差異が全体に及ぼす影響は大きく、称呼上決して紛れることのない非類似の商標と思料します。
 そして何よりも後者の各引用商標は、「サン(sun)」の明るい響きと太陽のイメージが強烈であり、比較的おとなしく発声する本願商標の「サムライン」に比べ、明らかに異なった印象を与え、無理なく聴別できるものであります。
 特に、本願商標第1音節の「サム」(「some」に通じ、「いくらかの」等の意味を有する形容詞として馴染まれており、また、「男子の愛称(Sam)」としても日本人に馴染まれています)と引用商標第1音節の「サン」(「sun」「太陽」を直感させる言葉として日本人に馴染まれています)では、観念的にも明瞭な違いが出ることでもあり、日本人にとって慣れ親しんでいる「サム」という言葉と「サン」という言葉をそれぞれ第1音節に有する商標同士を区別できない訳がありません。繰り返しますが、普段から慣れ親しんでいる言葉だけに、「サム(some)(Sam)」と「サン(sun)」を、日本の取引者・需要者が称呼的に混同するはずはありません。
 以上より、両者は、称呼上も紛れることのない非類似の商標であると思料します。

(5)以上の次第ですので、本願商標と引用各商標とは、外観および観念上類似しないことは勿論、称呼上も、比較的おとなしい印象を持つ本願商標と、サン=太陽のイメージが強調されて明るい印象を持たれる引用商標とでは、語感語調を異にし、聴者をして明らかに区別し得る非類似の商標であると考えます。

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