商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#92

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「Easyゲッター/EasyGetter」× 引用商標「EASY/イージー」「YEEZY」ほか、全7件

1.出願番号  商願2010-12335
2.商  標   「Easyゲッター/EasyGetter」
3.商品区分  第9類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  登録第2007448号、第2308400号ほかの商標と類似する。

出願商標・商標登録第5407857号
出願商標・商標登録第5407857号
引用商標1・商標登録第2007448号
引用商標1・商標登録第2007448号
引用商標2・商標登録第2308400号
引用商標2・商標登録第2308400号
引用商標3・商標登録第4033369号
引用商標3・商標登録第4033369号
引用商標4・商標登録第4368044号
引用商標4・商標登録第4368044号
引用商標5・商標登録第4781282号
引用商標5・商標登録第4781282号
引用商標6・商標登録第4930996号
引用商標6・商標登録第4930996号
引用商標7・商標登録第5507067号
引用商標7・商標登録第5507067号

意見書における反論

【意見の内容】
(1) 拒絶理由通知書において、本願商標は、下記1~7の登録又は出願商標と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定されました。
                 記
 引用商標1 登録第2007448号「EASY/イージー」(ヤマハ株式会社)
 引用商標2 登録第2308400号「easy」(ヤマハ株式会社)
 引用商標3 登録第4033369号「EASY/イージー」(ヤマハ株式会社)
 引用商標4 登録第4368044号「§easy」(スイス国法人)
 引用商標5 登録第4781282号「イージー」(ヤマハ株式会社)
 引用商標6 登録第4930996号「EASY」(ヤマハ株式会社)
 引用商標7 商願2009-087634号「YEEZY」(米国法人)
そして、拒絶理由通知書のなお書きにおいて、「引用商標中、商標登録出願中のものについては、その商標登録出願に係る商標が登録されたときに、商標法第4条第1項第11号に該当することとなります。また、登録商標中の商標登録第4368044号(以下、引用商標4といいます。)については、商標法第20条第3項又は第21条第1項の規定に基づく商標権の存続期間の更新申請がない場合は、この商標登録出願に係る商標は、商標権が消滅した日から1年を経過していない引用商標4の他人の商標と同一又は類似であって、その商標権に係る指定商品・指定役務と同一又は類似の商品・役務に使用するものですから、商標法第4条第1項第13号に該当することとなります。」というように、指摘されております。
 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であると考えますので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べます。
(2) 本願商標は、願書の商標見本から明らかなように、欧文字と片仮名文字で一連に書した「Easyゲッター」を上段に、欧文字のみで一連に書した「EasyGetter」を下段にそれぞれ書して、「Easyゲッター/EasyGetter」と二段に構成してなるもので、第9類の電子計算機用プログラム、その他の電子応用機械器具及びその部品などを指定商品とするものであります。これに対し、引用商標1~7は「EASY/イージー」「easy」「§easy」「イージー」「EASY」「YEEZY」などの欧文字や片仮名文字などからなる商標でありますしたがって、本願商標「Easyゲッター/EasyGetter」と引用各商標の単なる「EASY」「easy」「イージー」とは、外観上全く異なり、類似することはありません。
(3) 次に、観念の点についてみると、本願商標は、「Easyゲッター/EasyGetter」のうち、前段の「Easy」の部分は、広辞苑や英和辞典などを紐解くと、「楽な。やさしい。たやすい。平易な。容易な。」(プログレッシブ英和中辞典)等の意味を有し、また、「ゲッター/Getter」の部分は「獲得する人(物)」等の意味を有することから、一般的な取引者・需要者であれば、この本願商標全体から「容易く獲得する人(物)」等の意味合いを観念するものと思われます。これに対して、引用商標1,2,3,5,6の「easy」「EAZY」「イージー」は単に「楽な。やさしい。たやすい。平易な。」等を意味する単語に過ぎず、また、引用商標4は図形化された商標で「easy」の文字とも取れますが格別な観念を生ずるとも思えず、更に、引用商標7「YEEZY」は格別の観念を生じない造語と思われます。それ故、本願商標と引用各商標とは、観念上も類似することはないと思料します。
(4) そこで、以下、称呼の点につき検討します。
 (4-a) 本願商標は、上述のように、上段の「Easyゲッター」の部分が、欧文字と片仮名文字という種類の異なる文字からなる態様であるという違いはあるものの、この「Easyゲッター」は、前段の「Easy」と後段の「ゲッター」とが、軽重の差なくバランスよく等間隔に配され、また、下段には「EasyGetter」と一連に書された欧文字部分が存在しますので、これを見た取引者・需要者は、本願商標を一連に「イージーゲッター」とのみ称呼するものと思われます。この点に関し、審査官殿は、本願商標上段の「Easyゲッター」の部分が、欧文字と片仮名文字という種類の異なる文字からなるところから、取引者・需要者は、本願商標前段の「Easy」に着目して、単に「イージー」と称呼する場合もあると判断し、今般のような拒絶理由通知を発してきたものだと思います。しかしながら、決してそのようなことはないと考えます。本願商標は、前述したように、全体として「容易く獲得する人(物)」等の一つのまとまった意味合いを生じさせるものであり、このようにまとまった一つの意味合いを生じさせるのに、あえて「Easy」と「ゲッター」とを分断し、一方の「Easy」のみを抽出して「イージー」と単独で称呼する場合もあるなどと考えるべきではありません。本願商標の称呼は、あくまでも一連の「イージーゲッター」のみであります。単に「イージー」とか、「ゲッター」では何のことか分かりません。「イージーゲッター」と一連に称呼・観念してこそ本願願商標の識別力が発揮されます。この本願商標上段の「Easyゲッター」は、全体を称呼して決して冗長になるものではなく、むしろ一気に称呼して語呂も良く称呼し易いものであります。それを文字の種類が異なるからと言って、わざわざ「イージー」と称呼してみたり、また「ゲッター」と称呼してみたりする場合もあるなどと考えるべきではありません。文字の種類が違うとは言え、どちらも日本人にとってはごく慣れ親しんだ欧文字と片仮名文字であります。両者を結合すれば自然に一連に称呼できるものであります。よって、本願商標は、あくまでも「Easyゲッター/EasyGetter」という一体の商標として、常に「イージーゲッター」と一連にのみ称呼されるべきものと考えます。これに対し、各引用商標は、いずれもその態様より「イージー」と称呼されるものでありますので(ただし、引用商標4は「イージー」と称呼できるのか疑問。もし「イージー」と称呼されるなら、先願先登録に係る引用商標3に類似するとしてこの引用商標4は拒絶されていたはずであります。指定商品は類似群11B01、11C01を共通にする。)、両者は「ゲッター」の称呼の有無により、明らかに聴別でき、称呼上も決して紛れることはないと考えます。
(4-b) ところで、過去の商標登録例を見ると、第9類の電子応用機械器具及びその部品(類似群11C01)等を指定商品とするものにおいて、引用商標3「EASY/イージー」(第4033369号、ヤマハ株式会社)や引用商標5「イージー」(第4781282号、ヤマハ株式会社)の存在にもかかわらず、以下の商標が登録されております。
(A)第4785812号「Easy デジカメクリエーター」ソニック ソリューションズ:米国法人(第1号証)
(B)第4887347号「Easy 着メロ クリエーター」ソニック ソリューションズ:米国法人(第2号証)
(C)第4912507号「Easyリネーム」株式会社リコー(第3号証)
 これら(A)(B)(C)の商標は、審査官殿のような考え方に従えば、前段の「Easy」部分のみが欧文字であって、後段は片仮名文字等であるので、前段の「Easy」や「EASY/イージー」や「イージー」から生ずる称呼「イージー」が引用商標3,5と類似していて登録できないと言うことになるのでありましょう。しかし、実際には登録されております。この「Easy+片仮名文字等」という商標の態様を見ますと、本願商標上段の「Easy+片仮名文字」である「Easyゲッター」と何ら変わりありません。否、むしろ下段に一連であることが明確な「EasyGetter」がある分、より一層、本願商標の方が一連に称呼され易い態様と思われます。称呼の長さから言っても、本願商標は簡潔であるのに対し、上記(A)(B)の方はむしろ冗長でありますので、より「Easy」の文字を抽出しやすい態様となっています。しかし、それにも拘わらず、これら(A)(B)の商標は登録されているわけであります。然るに、これら(A)「Easy デジカメクリエーター」、(B)「Easy 着メロ クリエーター」、(C)「Easyリネーム」の商標が登録できて、本願商標「Easyゲッター/EasyGetter」が登録できないとされる謂われは全くありません。これら(A)(B)(C)の商標が登録できたのと同様に、本願商標は前後分断できない一体不可分の商標として、登録されて然るべきであります。
(5) 以上のように、本願商標は、あくまでも、「イージーゲッター」とのみ一連に称呼されるべきものであり、それ故に各引用商標の称呼である単なる「イージー」とは、類似することはありません。本願商標と引用商標とは、外観及び観念上類似しないことは勿論、称呼上も「ゲッター」の称呼の有無によって語感語調を全く異にし、聴者をして決して紛れることはないものと思料します。
 よって、本願商標は引用商標1~7の存在如何にかかわらず、充分登録適格性を有するものと思料します。

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