商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#87

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「FX-DUO」×引用商標「デュオ/DUO」

1.出願番号  商願2007-58362
2.商  標   「FX-DUO」
3.商品区分  第9類:電子計算機用プログラムほか
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  登録第1193573号の11外の「デュオ/DUO」と類似する。

出願商標・商標登録第5157540号
出願商標・商標登録第5157540号
引用商標1・商標登録第1193573号
引用商標・商標登録第1193573号
引用商標2・商標登録第1661199号
引用商標2・商標登録第1661199号
引用商標3・商標登録第4163263号
引用商標3・商標登録第4163263号
引用商標4・商標登録第4243725号
引用商標4・商標登録第4243725号

意見書における反論

(1) 拒絶理由通知書において、本願商標は、以下の引用商標1~4と同一又は類似するものであって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当すると認定された。
 引用商標1:登録第1193573号の11(商公昭50-039932)「デュオ/DUO」       
(第20,22,25,28類、昭和51年4月5日登録、旭化成せんい株式会社)
 引用商標2:登録第1661199号(商公昭58-039889)「デュオ/DUO」
      (第16類、昭和59年2月23日登録、(株)アイシーピー)
 引用商標3:登録第4163263号(商願平 8-130616)「デュオ/DUO」
      (第9類、平成10年7月3日登録、キャノン株式会社)
 引用商標4:登録第4243725号(商願平 9-143533)「デュオ/DUO」
      (第9類、平成11年2月26日登録、キャノン株式会社)
 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であると考えますので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べます。

(2) 本願商標は、願書の商標見本から明らかなように、欧文字「FX」と「DUO」の間にハイフン「-」を介して一連に「FX-DUO」と横書きした態様からなるものでありますが、引用商標1~4はいずれも片仮名文字と欧文字で二段に「デュオ/DUO」と書した態様からなるものであります。
 したがって、本願商標と引用商標1~4は、外観上類似しないこと明らかであります。

(3) また、本願商標の「FX-DUO」は、欧文字の「FX」と「DUO」をハイフン「-」を介して連結したもので、英和辞典や国語辞典などによれば、「「FX」は 、[名]《映・テレビ》エフエックス:特殊効果(special effects). [effectsの略語風つづり]とか、航空自衛隊の次期主力戦闘機。」とかの意味を有し、また、「DUO」は「二重奏」「二重奏曲」等の意味を有するものでありますので、本願商標は全体として「エフエックス二重奏(曲)」「特殊効果二重奏(曲)」の如き観念を生じさせるものであります。
 これに対し、引用商標1~4はその態様より、単に「二重奏(曲)」の観念を生じさせるもので、どのような「二重奏(曲)」なのか判然としないものであります。
 したがって、本願商標と引用商標1~4とは、観念上も紛れることのない非類似の商標であります。

(4) そこで、次に、称呼の点につき検討します。
 本願商標の「FX-DUO」は、前述したように、欧文字の「FX」と「DUO」との間にハイフン「-」を介した態様ではありますが、全体が同書・同大で一連一体に書されており、しかも、全体として、例えば「エフエックス二重奏(曲)」「特殊効果二重奏(曲)」という一つのまとまった意味合いを生じさせるものであります。そのため、本願商標は全体を一連に称呼するのが自然であり、取引者・需用者は、常に「エフエックスデュオ」とのみ称呼するものと思料します。
 この点に関し、審査官殿は、本願商標の要部は「DUO」の部分にあり、単に「デュオ」と称呼される場合もあると判断して、上記の「デュオ/DUO」の文字からなる引用商標1~4を引用したのだと思料しますが、これは誤った見方であると考えます。
成る程、本願商標は、a)欧文字二字の「FX」と「DUO」からなり、且つ、b)前半の「FX」は、通常は単独で商標の要部とはなり得ない欧文字二字(記号・符号の類)であることは事実でありましょう。しかし、だからといって、本願商標の要部が後半部の「DUO」のみにあるとみるのは、短絡的にすぎます。
 本願商標は、あくまでも、「FX」と「DUO」とをハイフン(-)で連結して外観上まとまりよく一体とした商標「FX-DUO」であって、単なる「FX(エフエックス)」でもなければ、単なる「DUO(デュオ)」でもありません。 本願商標において両者間にハイフン(-)を介したのは、これら「FX」と「DUO」を分断するためではなく、むしろ結合して一体化するためのものであります。
 本願商標は、全体を一体に把握してこそ、「エフエックス二重奏(曲)」とか、「特殊効果二重奏(曲)」とかのまとまった意味合いを生じさせるのであって、全体として一つの固有名詞的な意味合いを観念させるものであります。全体として一つの意味合いを観念できるときに、わざわざ前後分断して、一方を捉えて称呼・観念するようなことを、通常の取引者・需要者が行うはずはありません。
 しかも、本願商標は、全体としてさほど冗長な商標ではなく、一気に「エフエックスデュオ」とよどみなく称呼できます。また、全体として語呂がよく、称呼しやすい商標であります。それ故、前後を分断して、例えば、後半の「DUO」のみを称呼するようなことは通常あり得ません。
 本願商標は、一連に称呼してこそ一つのまとまった意味合いを生じさせる商標であって、取引者・需要者が、本願商標を捉えて、あえて「デュオ」と称呼したり、単に「エフエックス」と称呼するようなことはあり得ません。ハイフンを介して結合した本願商標をわざわざ分断して称呼するのは不自然であります。また、分断したのでは本願商標独特の固有名詞的な意味合いを把握できませんし、本願商標としての自他商品識別力を正確に発揮することはできません。
一つの固有名詞的な意味合いを生じさせる本願商標は、全体として一つの自他商品識別機能を発揮するものであり、全体が冗長であり一気に称呼し難いとか、一気に称呼したのでは語呂が悪いとか、一部の文字が特に目を引く態様となっているとかの格別な事情がない限り、前後分断することなく一連に称呼するのが自然であります。
 よって、本願商標は全体をよどみなく「エフエックスデュオ」とのみ称呼すべきものであり、これに対して引用商標1~4は、それぞれ、単に「デュオ」と称呼されるものでありますので、両者は、「エフエックス」の称呼の有無の違いにより、称呼上も決して紛れることのない商標であると考えます。

(5) ところで、過去の商標登録例を見ると、本願と同一又は類似の指定商品分野(昭和34年法第11類及び国際分類第9類)において、「DUO」の文字を後半部に含む商標として、例えば、以下のような登録商標が発見できます。
 A.登録2162011「BY DUO」
 (第11類、平成1年8月31日登録、デイエックス貿易株式会社)
B.登録4599884「ディー・ブイ・デュオ/D-V DUO」
   (第9類、平成14年8月30日、船井電機株式会社)
C.登録4793117「ISB-Duo」
   (第9類、平成16年8月6日、三洋電機株式会社)
 このうち、特に、本願商標とハイフンの有無を除けば似たような態様(「欧文字2字」と「DUO」からなる構成態様)からなるAの登録第2162011号「BY DUO」などは、類似群11C01を指定商品に含むものでありますが、これよりもあとの出願及び登録に係る引用商標3,4の「デュオ/DUO」などは、これと類似とは判断されず、商標登録がなされております。
 これら「BY DUO」と「デュオ/DUO」とが非類似であるならば、本願商標の「FX-DUO」と「デュオ/DUO」(引用商標1~4)も互いに非類似なはずであります。

(6) 以上述べたように、本願商標は、引用商標1~4と、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であります。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものではなく、登録適格なものと考えます。

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