カナダ商標制度

制度概要

カナダは、2019年6月17日施行の新商標法によって、その商標制度を多くの国で採用する制度に合わせる改正を行っています。例えば、従来は区分という概念がなく存続期間も15年であったりもしましたが、これらは国際的な商標制度の基準に沿うように改正され、シンガポール条約への加入、マドリッド制度の導入、ニース国際分類の採用や、存続期間の10年への変更などの多くの変更点があります。

Parliament Hill, Ottawa
Parliament Hill, Ottawa

出願方法について

今回の改正商標法では、出願に基礎(Base)を含める必要がなくなり、商標の使用開始日などの記載も願書には不要となります。また、登録に際して使用宣誓は要求されなくなり、登録手数料は廃止されます(過渡期のものを除く)。改正時に係属中の出願にも適用されます。商標の対象も拡大されており、非伝統的商標であるホログラム商標、動き商標、音商標、匂い商標、味商標、触覚商標も保護対象となります。また、今回の改正により、分割出願制度が新たに導入されます。既にニース分類が採用されていますので、通常の第何類で商品や役務を把握することができます。

カナダ商標出願における注意点

他国にあまり見られない制度として、指定商品や指定役務の拡張(extension若しくはamend to extend)というものがあり、2019年6月の改正の後でもこれを利用することができます。これは登録にかかる指定商品・指定役務が例えば、第32類 ビールであった場合に、新たに第43類のレストランを既に登録されている商標登録に追加できる制度で、権利としてまとめることができる制度です。政府機関費用は通常の出願費用の330(1st class)+100(per class)CAドルよりは100ドル高い430(1st class)+100(per class) CAドルとなっています。

異議申立(opposition)

出願の公告(advertisement)から2か月の期間で、異議を唱える者は異議申立をするか延長を請求するかを選ぶことができます。延長を請求する場合には、その理由をCIPOに提出する必要があります。

使用宣誓要求の通知(notice, subsection 45(1) of the Act)

登録から3年経過した後は、通知のための手数料(400 CAドル)を支払い書面にて、商標権者に3か月以内に、全ての商品若しくは役務についての当該通知の直前3年間の何時でもカナダ国内での使用について宣誓書を要求することができると規定されており、実質的な不使用取消審判のように機能します。

マドリッド制度(Madrid System)

カナダは2019年6月17日を以てマドリッド議定書(プロトコル)の制度を利用することができます。2019年6月17日の段階でカナダの個別手数料は251CHFになっています。

存続期間

カナダの商標登録は存続期間が15年から10年になります。なお、改正時(2019.6.17)よりも前に15年の保護期間が付与されていたものは、そのまま15年の保護期間が維持されます。

カナダ改正商標規則(Trademarks Regulations: SOR/2018-227