法律第三号(令元・五・一七) 特許法等の一部を改正する法律(商標法の一部改正) 

(商標法の一部改正)

第四条 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

1.条文シフト

第十三条の二第五項中「第百五条の二」を「第百五条の二の十一」に改める。➡[特許法に査証制度が導入されたための条文シフト]

2.公益著名商標の通常使用権の許諾

第三十一条第一項ただし書を削る。➡[公益著名商標の通常使用権の許諾が可能:既に令和1年5月27日に施行しています。]

3.損害賠償額算定方法の見直し

第三十八条第一項中「その譲渡した商品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、商標権者又は専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、商標権者又は専用使用権者の使用の能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。
一 商標権者又は専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額に、自己の商標権又は専用使用権を侵害した者が譲渡した商品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該商標権者又は専用使用権者の使用の能力に応じた数量(同号において「使用相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該商標権者又は専用使用権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額
二 譲渡数量のうち使用相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(商標権者又は専用使用権者が、当該商標権者の商標権についての専用使用権の設定若しくは通常使用権の許諾又は当該専用使用権者の専用使用権についての通常使用権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該商標権又は専用使用権に係る登録商標の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額➡[権利者の生産・販売能力を超えた部分の損害を認定 侵害品の販売数量が権利者の生産能力や販売能力(使用相応数量)を超える場合、その超えた個数分はライセンス料相当額での損害賠償を求めることができます。]

”平成31年3月特許庁の特許・意匠・商標制度の見直し”より
第三十八条第五項中「前二項」を「第三項及び前項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する登録商標の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、商標権者又は専用使用権者が、自己の商標権又は専用使用権に係る登録商標の使用の対価について、当該商標権又は専用使用権の侵害があつたことを前提として当該商標権又は専用使用権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該商標権者又は専用使用権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。
[この新しい第4項は”ライセンス料相当額の増額”と題されています。いつから適用されるのかという疑問について—過去の改正付則によれば、”一部施行日以後にした行為について適用し、一部施行日前にした行為については、なお従前の例による。”となる見込みです。施行日は令和1年5月17日より1年以内ですが、未だ具体的な施行日は未定です。]

4.条文シフト

第三十九条中「、第百五条」の下に「(書類の提出等)、第百五条の二の十一」を加え、「書類の提出等、」を削る。➡[特許法に査証制度が導入されたための条文シフト]

5.国際登録出願の補正期間の延長

第六十八条の二十八第一項中「により指定された期間内」を「による通知を受けた後は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合」に改める。
[国際商標登録出願に係る補正手続の期間の延長]

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