商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#65

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標:「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」

1.出願番号  商願2002-21552(不服2003-4966)
2.商  標  「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」
3.商品区分  第11類:業務用の痩身用機械器具,その他の美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)
4.適用条文 商標法第3条1項3号、第4条第1項第16号
5.拒絶理由  単にその商品の品質を表示するにすぎない。

出願商標・商標登録第4850011号
出願商標・商標登録第4850011号

不服審判における反論(請求の理由)

【手続の経緯】
 出     願   平成14年 3月19日
 拒絶理由の通知   平成14年12月16日
  同 発送日   平成14年12月17日
意  見  書   平成15年 1月20日
拒 絶 査 定   平成15年 2月26日
 同 謄本送達   平成15年 2月27日
【拒絶査定の要点】
原査定は、“この商標登録出願は、平成14年12月16日付けで通知した理由によって、拒絶をすべきものと認めます。なお、出願人は、意見書において種々述べていますが、本願商標は欧文字と片仮名文字で上下二段に「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」と書してなるところ、全体として、先の拒絶理由に述べた如く「脂肪が消滅する」の意を表すに止まり、さきの認定を覆すことはできません。また、出願人は、本願商標は特定の具体的観念を生じさせることはないもので、一連一体にバランス良く二段並記した商標として認識されるべき旨主張してますが、上記認定に影響を与えるものとは認められません。”というものであり、平成14年12月16日付けの拒絶の理由は、“本願商標は、「CelluliteVanish」及び「セルライトヴァニッシュ」の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるところ、その構成中の「Cellulite」及び「セルライト」の文字部分は、「脂肪、体内に余分な脂肪が溜まり発生する細胞」の意味で一般に使われており、「Vanish」及び「ヴァニッシュ」の文字部分は、「消滅する、見えなくなる」等の意味を有するものであるから、全体としては「脂肪が消滅する」程度の意味合いを看取させるにすぎず、近年、足痩せ専門エステサロンでセルライト除去、消滅用の機械機具が使用されている実情をも考慮すれば、これを本願指定商品中、例えば、「セルライト消滅用の業務用美容機械機具」に使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認めます。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがありますので、商標法第4条第1項第16号に該当します。”というものであります。
【本願商標が登録されるべき理由】
然るに、本出願人は先の意見書において、本願商標は、あくまでも「Cellulite/セルライト」の文字と「Vanish/ヴァニッシュ」の文字とを結合して、上下の各文字部分を軽重差なく同書、同大、同間隔にバランス良く配置した造語商標であって、この構成態様より、特定の具体的観念を生じさせることはない旨指摘したにもかかわらず、かかる拒絶の認定をされたことに対しては納得できないところがあり、ここに再度ご審理を頂きたく、審判を請求する次第であります。
(a)本願商標の構成
本願商標は、願書の商標登録を受けようとする商標の欄の記載から明らかなように、英文字と片仮名文字で上下二段に「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」と書した態様からなるもので、指定商品を第11類の「業務用の痩身用機械器具,その他の美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)」とするものであります。
(b)審査官の認定に対する反論
(b-1)
審査官が指摘するように、本願商標の「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」は、成る程、「Celluliteh/セルライト」の文字が「脂肪、体内に余分な脂肪が溜まり発生する細胞」等の意味を、また「Vanish/ヴァニッシュ」の文字が「消滅する、見えなくなる」等の意味を、それぞれ有することは事実であります。しかし、本願商標は、これらの文字を一体に結合した結合商標であり、全体としてみれば、具体的に特定の観念を生じさせることのない造語商標であります。
 本出願人は、上記した意味合いの言葉が2つ結合した以上、全体として「脂肪が消滅する」程度の意味合いを間接的に表示ないし暗示する商標であることを決して否定するものではありませんが、そのことをもって、この結合商標が品質を普通に表す言葉であるとは言い得ないと思料します。「CelluliteVanish」も、「セルライトヴァニッシュ」も、美容機械器具等の品質・内容表示として、普通に使用され、且つ一般的に確立された言葉ではありません。
 つまり、本願商標の「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」は、あくまでも「Cellulite」の文字と「Vanish」の文字、あるいは「セルライト」の文字と「ヴァニッシュ」の文字とを結合して、上下二段にし、且つ上下の各文字部分を、左右軽重差なく同書、同大、同間隔にバランス良く配置した造語商標と理解すべきで、全体として特定の具体的観念を生じさせることはありません。
それ故、本願商標は、全体として、十分に自他商品識別力を備えているものと思料します。
(b-2)
 そして、たとえ近年、足痩せ専門エステサロンでセルライト除去、消滅用の機械器具が使用されている実情があったとしても、この「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」がその様な機械器具の品質表示用語として普通に用いられ、普及している事実がない以上、単なる品質表示用語として片付けることは出来ないと考えます。
 取引者・需用者が、例えば、業務用の痩身用機械器具に商標的使用態様で「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」と書いてある文字を見て、これを商品の品質表示であるなどと思うはずがありません。一般的には、やはり「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」という商標名の製品であると理解するはずであります。
 それ故、本願商標「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」は、全体として十分に自他商品識別標識として機能し得る商標であり、十分に登録適格性を有するものと思料しますので、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした審査官の認定には納得できません。
(b-3) 
 ところで、本出願人は、前述したとおり、「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」の文字が「脂肪が消滅すること」を間接的に表示ないし暗示することを決して否定するものではありません。しかし、そのことが直ちに、本願商標が、商品の品質表示にすぎない(即ち、品質を普通に用いられる方法で表示する標章にすぎない)と言うことを意味するものではないということであります。
 商標法第3条第1項第3号の商標審査基準によれば、“指定商品の「品質」、「効能」、「用途」…等を間接的に表示する商標は、本号の規定に該当しないものとする。”と明確にうたっています。この基準に照らし合わせてみても、今般の審査官の認定には納得できません。同書、同大、同間隔で一連一体にバランス良く二段並記した本願商標は、全体としてみれば、具体的に特定の観念を生じさせることのない造語商標でありますので、十分に自他商品識別標識として機能するものと思います。
  【むすび】
 以上の通りでありますので、本願商標「CelluliteVanish/セルライトヴァニッシュ」は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものでも、商品の誤認を生じさせるものでもなく、十分に登録適格性を備えたものと思料します。
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(参考)ケース65の「審決」
不服2003- 4966
   商願2002- 21552拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結 論
   原査定を取り消す。
   本願商標は、登録すべきものとする。
理 由
 1.本願商標
 本願商標は、「CelluliteVanish」及び「セルライトヴァニッシュ」の文字を二段に書してなり、第11類「業務用の痩身用機械器具,その他の美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)」を指定商品として、平成14年3月19日に登録出願されたものである。
 2.原査定の拒絶の理由の要旨
 原査定は、本願商標は、構成中の「Cellulite」及び「セルライト」の文字部分は、「脂肪、体内に余分な脂肪が溜まり発生する細胞」の意味で一般に使われており、「Vanish」及び「ヴァニッシュ」の文字部分は、「消滅する、見えなくなる」等の意味を有するものであるから、全体としては「脂肪が消滅する」程度の意味合いを看取させるにすぎず、近年、足痩せ専門エステサロンでセルライト除去、消滅用の機械機具が使用されている実情をも考慮すれば、これを本願指定商品中、例えば、「セルライト消滅用の業務用美容機械機具」に使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
 3.当審の判断
 本願商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、これが原査定説示の如き意味合いを暗示するとしても、本願の指定商品の品質・用途等を具体的に表示するものとは認識し得ないものであり、寧ろ、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものというのが相当である。また、当審において、職権をもって調査したが、「CelluliteVanish」及び「セルライトヴァニッシュ」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして取引上、普通に使用されている事実を発見することはできなかった。してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質等を表示したものと認識することはないものとみるのが相当であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと言わなければならず、また、これを本願指定商品のいずれについて使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるということはできない。
 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は取消しを免れない。その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
 よって、結論のとおり審決する。
平成17年 2月28日
 審判長  特許庁審判官 小林 薫
      特許庁審判官 岩崎 良子
      特許庁審判官 青木 博文

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