商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#19

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「秘文/SAFE」×引用商標「S.A.F.E.」

1.出願番号  平成10年商標登録願第70796号
2.商  標  「秘文/SAFE」
3.商品区分  第9類:電子応用機械器具及びその部品ほか
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 「秘文/SAFE」は「S.A.F.E.」に類似する。

出願商標 引例商標 登録第2450150号
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意見書における反論

(1) 拒絶理由通知書において、本願商標は、登録第2450150号(商公平03-117756号)の商標(以下、引用商標という)と類似であり、指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、登録を受けることは出来ないと認定された。

 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観,称呼および観念のいずれにおいても類似することのない非類似の商標であると思料するので、斯かる認定に承服できず、以下に意見を申し述べる。

(2) まず、本願商標は、漢字の「秘文」と英文字の「SAFE」とをスラッシュ「/」を挟んで左右に書し、「秘文/SAFE」と横書きして成るものである。

 これに対し、引用商標は英文字でドット(.)を伴って「S.A.F.E.」と横書きして成るものである。

 したがって、本願商標と引用商標とは、外観上類似することはない。

(3) また、観念の点についてみると、本願商標の「秘文/SAFE」は、「秘密文書」を観念させるような造語の「秘文」と「安全である」ことを意味する「SAFE」とから成るもので、全体として「秘密文書が安全である」「秘密文書が安全に保たれる」程の意味合いを観念させるものである。

 これに対し、引用商標の「S.A.F.E.」は、何らかの単語の頭文字をとって横に並べたものと思料されるが、全体として何の意味も有しない商標である。

 したがって、本願商標と引用商標とは、観念上も類似することはない。

(4) そこで、以下、称呼の点につき検討する。
(4-1) 本願商標は、前述したように、漢字と英文字で「秘文/SAFE」と書した態様ではあっても、全体として「秘密文書が安全である」「秘密文書が安全に保たれる」と言うような一つのまとまった観念を生じさせるものであるから、各語が互いに緊密な関係にあり、したがって、本願商標は両者分断されることなく一連に「ヒブン・セーフ」(2音節)或いは「ヒブン・セイフ」(2音節)とのみ称呼されるものと思料する。

 そして、仮に、本願商標が分断されて称呼される場合があったとしても、本願商標構成における「SAFE」の位置付けを考えると、「秘文」の文字をとらえて単に「ヒブン」と称呼されることはあっても、「SAFE」のみをとらえて、これ単独で「セーフ」ないし「セイフ」と称呼されるようなことはないと思料する。なぜなら、「SAFE」の位置付けは、造語である「秘文」の文字との関係から言って、あくまでもその「秘文」の文字を修飾し、「それが安全である」程の意味付けを与えるに過ぎないからである。

 つまり、「SAFE」はあくまでも「秘文」の言葉を修飾する言葉であって、決して「秘文」と同格ではなく、それ単独では識別標識としての機能を発揮するものではないと思料する(その意味で、「SAFE」は品質表示的な意味合いを有する言葉である。引用商標が登録されたのは、「S.A.F.E.」と表示したからであって、ドット(.)を取り除いて「SAFE」と表示したならば、登録されたかどうか甚だ疑問である。現実にも単独の「SAFE」が登録された例は、この商品分野において見あたらなかった)。

 このように、本願商標は、「秘文」の文字部分をとらえて単に「ヒブン」と称呼されることはあっても、「SAFE」の部分のみをとらえて、それ単独で「セーフ」ないし「セイフ」と称呼されるようなことはないと思料する。

 よって、いずれにしても、本願商標から生ずる称呼は、「ヒブンセーフ」ないし「ヒブンセイフ」、或いは、仮に分断されて称呼されても「ヒブン」であるに過ぎないものと思料する。

(4-2) これに対し、引用商標は「S.A.F.E.」と各語にドット(.)を伴って書した態様より、「エス・エー・エフ・イー」と称呼されるのみで、「セーフ」ないし「セイフ」とは称呼されないものと思料する。即ち、ドット(.)を伴って書してある以上、各アルファベットを一音一音区切って読むのは、仮名でも振って無理に「セーフ」ないし「セイフ」と読ませようとでもしない限り常識的なことであり、この引用商標の態様「S.A.F.E.」を以て、「セーフ」とか「セイフ」とか称呼されるとするには些か無理がある。

(4-3) そこで、本願商標の称呼である「ヒブンセーフ」「ヒブンセイフ」、「ヒブン」と、引用商標の称呼である「エス・エー・エフ・イー」とを比較すると、両者は明らかに語感語調が異なり、明瞭に識別できるものであるので、称呼上類似することはない。

(4-4) なお、前述の通り、本願商標「秘文/SAFE」からは、「セーフ」ないし「セイフ」単独の称呼が生ずることはないと思料するが、仮に「SAFE」の文字部分のみをとらえて、「セーフ」ないし「セイフ」と称呼されたとしても、引用商標の称呼である「エス・エー・エフ・イー」とは、語感語調が全く異なり決して類似することはない。

 また、念のため触れるが、本願商標の「SAFE」の文字部分より、「エスエーエフイー」と言うように読まれることは決してないと思料する。それは、アルファベットをそのまま読まなければ称呼できないような単なる文字の羅列であるならまだしも、前述のように、この文字は「安全な」を意味する英単語としてごくごく親しまれた言葉である。それ故、本願商標から「エスエーエフイー」の称呼が生じ、引用商標の称呼「エス・エー・エフ・イー」と類似するとの判断がもし審査官殿において成されたのだとしたら、それは、本願商標の称呼を誤って認識したことに基づく誤解である。

(5) 以上のように、本願商標と引用商標とは、外観および観念上類似しないことは勿論、称呼上も、読み方が全く異なっていて語感語調を著しく異にするため、聴者をして明瞭に区別し得る商標である。

 よって、本願商標と、引用商標とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと思料します。

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