商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#52

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「Earth Desk/アースデスク」9類 × 引用商標「EARTH」

1.出願番号 商願2003-22332
2.商  標 「Earth Desk/アースデスク」
3.商品区分 第9類:実験台,その他の実験用機械器具
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 「Earth Desk/アースデスク」は「EARTH」に類似する。

商標登録第4722671号
出願商標・商標登録第4722671号
登録4429693号
引例商標・登録4429693号

意見書における反論

(1) 拒絶理由通知書(発送番号197630)において、審査官殿は、本願商標は、登録第4429693号の商標「EARTH」(以下、引用商標という)と類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、登録することはできないと認定されました。しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観,称呼および観念のいずれにおいても類似せず、取引者・需用者に出所の混同を起こさせるおそれのない非類似の商標であると思料しますので、斯かる認定に承服できず、以下に意見を申し述べます。
(2) まず、本願商標は、上段の英文字と下段の片仮名文字で「Earth Desk/アースデスク」と二段併記して成るものであるのに対し、引用商標は英文字で単に「EARTH」と横書きして成るものであります。
 然るに、両者は、外観上明らかに相違し、類似することはないと思料します。
(3) 次に、観念の点についてみると、本願商標の「Earth Desk/アースデスク」は、その上段部分において、「大地。地球。接地。」等の意味を有する「Earth」の文字と、「つくえ。事務机。」等の意味を有する「Desk」の文字とを結合して「Earth Desk」と表したもので、全体として、特定の意味を持たない造語商標であります。また、その下段部分は、上段の欧文字部分「Earth Desk」の読みを表すべく一連に書した片仮名文字「アースデスク」であります。したがって、本願商標は、全体として、例えば、「接地つくえ。」などの意味合いを暗示させることはあるかも知れませんが、あくまでも造語商標であって、特定の具体的観念を生じさせない商標であります。これに対し、引用商標は、「EARTH」の英文字からなるもので、「大地。地球。接地。」等の特定の観念を生じさせるものであります。したがって、本願商標と引用商標とは、観念上も類似することのない非類似の商標であります。
(4) そこで、以下、称呼の点につき検討します。
 (4-a) 本願商標は、上述のように、上段の英文字部分が「Earth」と「Desk」との間にやや間隔を空けた態様ではありますが、左右に軽重の差なく、全体として「Earth Desk」とまとまりよく書され、しかも、下段には、その上段の読みを表すべく、片仮名文字で「アースデスク」と一連に書されております。それ故、本願商標は、この態様より、一連に「アースデスク」とのみ称呼されるとみるのが自然であります。この点に関し、審査官殿は、本願商標の後段である「Desk」の文字部分を一般名称的にとらえ、前段である「Earth」の部分にこそ商標の要部があるとみてこれを抽出し、単に「アース」と称呼される場合もあると判断して、登録第4429693号商標「EARTH」を引用してきたのだと思います。しかし、このように、本願商標の「Earth Desk/アースデスク」から、その「Earth」の部分のみを抽出して称呼するというのは、如何にも不自然であります。例えば、本願商標と類似群(10A01)を同じくする「理化学機械器具」の分野において、(a)平成10年10月23日に登録された第4204290号商標「デスク/DESK」が存在しますが、この登録の存在は、「デスク」「DESK」の文字にも識別性を認めたことを意味します。そして、このことは、本願商標について言えば、その後段の「Desk」の文字部分に識別性を認めるべきこと、即ち本願商標の「Desk」の文字部分は、本願指定商品との関係にあって一般名称ではなく、商標の要部を構成し得る文字であることを示唆しています。本願商標「Earth Desk」は、あくまでも「Earth」と「Desk」とを一体に結合してまとまりよく配したものであって、「接地のつくえ」等の意味合いを暗示させるかも知れませんが、全体として特定の具体的観念を生じさせない造語商標であるとみるのが自然であります。今般の審査官殿のように、前段部分「Earth」と後段部分「Desk」とに軽重の差を設けて、前段部分「Earth」のみを抽出して称呼するようなことはすべきではありません。本願商標は、その様なことのないように全体的にバランスをとってまとまりよく表記しているのであり、読みも片仮名で一連に「アースデスク」と書しているのであります。そして又、本願商標は長音を伴う5音構成からなるものでありますが、決して冗長さを感じさせるものではなく、全体を一連に称呼して語呂もよく、一気に称呼し易いものとなっております。それ故、本願商標から、あえて「Earth」と「Desk」とを分断して、一方の「Earth」のみを抽出して、「アース」と単独で称呼すべき場合があるなどと考えるべきではありません。その様に分断すべき理由は全くありません。本願商標の称呼は、あくまでも一連の「アースデスク」のみであると考えます。これに対し、引用商標は単なる「EARTH」であり、その態様より単に「アース」と称呼されるものであります。然るに、本願商標の称呼「アースデスク」と引用商標の称呼「アース」とは、「デスク」の称呼の有無により、明らかに聴別でき、称呼上も決して紛れることのない非類似の商標であると思料します。
(4-b) ところで、御庁の電子図書館(IPDL)における商標出願・登録情報検索によって過去の商標登録例を検索してみると、例えば、本願商標と同じ商品類似群10A01を含む登録商標において、
 (A)第4034274号「INTERACTIVE」(ミノルタ株式会社)と、
 (B)第4058602号「INTERACTIVE DESK」(日立製作所)とは、併存しております。
 つまり、「INTERACTIVE」と「INTERACTIVE DESK」とは、非類似の取り扱いがなされております。本願商標「Earth Desk」と引用商標「EARTH」とて、同様に非類似とされるべきであります。前記(B)の前段「INTERACTIVE」のみを商標の要部として抽出しなかったと同様に、本願商標前段の「Earth」のみを商標の要部として抽出すべきではありません。「INTERACTIVE」と「INTERACTIVE DESK」とが併存できて、本願商標の「Earth Desk」と引用商標の「EARTH」とが併存できない謂われはありません。また、同様の例として、例えば、
 (C) 第1271373号「NAVI」(横川電気株式会社)と、
 (D)第4362622号「EarthNavi」(日本電気航空宇宙システム株式会社)。
 (E)第2165135号「ARTIST」(キャノン株式会社)と、
 (F)第4472211号「EARTH ARTIST」(システムミヤワキ有限会社)なども、それぞれ併存しております。
即ち、「α+DESK」と「α」、「β」と「EARTH+β」との関係にある商標(ただし、「α」、「β」は識別力あることを前提とします)などは、過去の審査実務において非類似の扱いがなされております。これは、共通する「α」とか、「β」とかの文字部分を抽出して商標の要部とするような認定の仕方を、過去の担当審査官はしなかったことを意味します。つまり、これら各商標の出願審査において、担当審査官は、「α+DESK」とか、「EARTH+β」とかの商標を、常に「α」や「β」と一体不可分の商標として取り扱っているということであります。これらの担当審査官が、仮に「α+Desk」「α+デスク」や「Earth+β」「EARTH+β」の商標のうち、「Desk」「デスク」「Earth」「EARTH」の文字部分を識別性のない部分であると判断し、他の文字部分「α」や「β」にこそ商標の要部(識別性)がある、などと判断して審査していたならば、これら登録商標のうち、(B)、(D)及び(F)の商標は、それぞれ(A)、(C)及び(E)の商標の後願であることにより、全て拒絶されていたはずであります。然るに、拒絶されることなく登録されているということは、「Desk」「デスク」等の文字にも商標としての識別性を十分に認め、あくまでもこの「Desk」「デスク」等の文字を含めた商標全体として1つの不可分一体の商標を構成すると判断し、審査したからに他なりません。本願商標と引用商標の関係も、これら(A)と(B)、(C)と(D)、(E)と(F)の各登録商標の関係と軌を一にするものであり、本願商標の「Earth」「アース」の部分のみをとらえて、称呼され、観念されるようなことはないと考えます。本願商標は、あくまでも、片仮名で読みを振ったように「アースデスク」であり、その様に一連にのみ称呼されるべきものであります。それ故、引用商標の称呼である単なる「アース」とは、類似することはないと考えます。
(5) 以上のように、本願商標と引用商標とは、外観および観念上類似しないことは勿論、称呼上も「デスク」の称呼の有無によって語感語調を全く異にし、聴者をして決して紛れることのない非類似の商標であると思料します。

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