商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#1

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「ふくやき」×引用商標「福雪」

1.出願番号  平成3年商標登録願第74020号
2.商  標   「ふくやき」
3.商品区分  第30類:菓子、パン
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  登録第2087304号商標「福雪」と類似する。

出願商標 引例商標 登録第2087304号
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意見書における反論

(1)拒絶理由通知書において、本願商標は、登録第2087304号(商公昭63-26705号)の商標(以下、引用商標という)と類似し、指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当すると認定された。
 しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観,称呼および観念のいずれにおいても類似することのない非類似の商標であると思料するので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べる。

(2)まず、本願商標は、平仮名で「ふくやき」と横書きした態様からなるものであるのに対し、引用商標は、漢字で「福雪」と横書きした態様からなるものである。
 したがって、本願商標と引用商標とは、外観上類似しないことは明らかである。

(3)次に、観念の点についてみると、本願商標の「ふくやき」は、本出願人の住所地である山口県下関市名産の魚「フク」(この地方では、「フグ」のことを「フク」と言います)にちなんで、ふっくらとフクのように焼き上げた菓子類をイメージしてネーミングした造語商標であるのに対し、引用商標の「福雪」は字義どおり「福のある雪」、「福の雪」等の意味合いを有する商標である。

 したがって、本願商標と引用商標とは、観念上も類似することはない。

(4)そこで、称呼の点について検討してみるに、本願商標は、平仮名で「ふくやき」と書した態様より、唯一「フクヤキ」の称呼を生じるものである。

 これに対し、引用商標は、漢字で「福雪」と書した態様より、「フクユキ」の称呼を生じるものである。

 したがって、本願商標と引用商標とは、第3音部分において、「ヤ」と「ユ」の差異を有するものである。

 しかして、その差異である「ヤ」は、前舌面を硬口蓋に近づけたのち口を大きく開けて発せられる摩擦音であるのに対し、「ユ」は、硬口蓋と前舌面との間で口をすぼめて調音される清音であるから、その発声方法を異にする異質の音といえるものである。そして、そのアクセントも、本願商標が一音一音明瞭に発音されて強弱の別なく「フ・ク・ヤ・キ」と称呼されるのに対し、引用商標は漢字で書された「福雪」の態様より、前後を2音節に区切って「フク・ユキ」と称呼される傾向にあるとともに、「フ」の音及び「ユ」の音が強く発音される傾向にある。それ故、両者は、語感・語調を全く異にする商標であって、十分に聴別し得るものと思料する。しかも、これら両者はわずか4音という短い音構成からなるものであるから、一層上記差異が全体に及ぼす影響は大きく、称呼上決して紛れることはないと思料する。

 それ故、両者は、称呼上も紛れることのない非類似の商標であると考える。

(5)以上のように、本願商標と引用商標とは、外観および観念上類似しないことは勿論、称呼上も、僅か4音という短い音構成にあって、第3音に「ヤ」と「ユ」という発声方法を異にする異質の音の差異を有し、かつ本願商標が1音1音明瞭に称呼される傾向にあるのに対し、引用商標が前後2音節に区切って称呼される傾向にあるから、これらの差異が全体の称呼に及ぼす影響は極めて大きく、これらを一連に称呼するときはその語感語調を著しく異にし、聴者をして明らかに区別し得るものと思料する。

よって、両商標は非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと考えます。
以上

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