商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#23

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「ACADPLUG/エーキャドプラグ」×引用商標「ACAD」

1.出願番号  平成11年商標登録願第33328号
2.商  標  「ACADPLUG/エーキャドプラグ」
3.商品区分  第9類:電子応用機械器具及びその部品ほか
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 「ACADPLUG/エーキャドプラグ」は「ACAD」に類似する。

[wc_row] [wc_column size=”one-half” position=”first”]
商標登録第4407635号
出願商標
[/wc_column] [wc_column size=”one-half” position=”last”]
商標登録第4003038号
引例商標 登録第4003038号
[/wc_column] [/wc_row]

意見書における反論

(1) 拒絶理由通知書(発送番号076192)において、本願商標は、登録第4003038号の商標「ACAD」(以下、引用商標という)と類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、登録することはできないと認定された。
しかしながら、本出願人は、本願商標と引用商標とは、外観,称呼および観念のいずれにおいても類似せず、取引者・需用者に出所の混同を起こさせるおそれのない非類似の商標であると思料するので、斯かる認定に承服できず、以下に意見を申し述べる。
(2) まず、本願商標は、上段の英文字と下段の片仮名文字で「ACADPLUG/エーキャドプラグ」と二段併記して成るものであるのに対し、引用商標は英文字で単に「ACAD」と横書きして成るものである。然るに、両者は、外観上明らかに相違し、類似することはない。
(3) 次に、観念の点についてみると、本願商標の「ACADPLUG/エーキャドプラグ」は、その上段部分においては、「academic」(理論的な、学究的な)や「academy」(学会、学院)の略語である「ACAD.」の文字部分と、「電気機械で、回路を接続し、あるいは切断するために用いる差込み器具(プラグ)」等の意味合いを有する「PLUG」の文字とを結合して、全体として「アカデミックなプラグ」等の意味合いを込めて造った造語である。また、その下段部分は、上段の欧文字部分「ACADPLUG」の読みを表すべく一連に書した片仮名文字である。したがって、本願商標は、全体として「アカデミックなプラグ」などの意味合いを暗示させるものではあるが、あくまでも造語商標であって、格別に特定の観念を生じさせるものではない。
また、引用商標は、「academic」(理論的な、学究的な)や「academy」(学会、学院)の略語である「ACAD.」の文字部分をドット「.」を省略して表示したものと思料するが、通常の取引者・需用者間においては、格別馴染んだ言葉でもなく、やはり特定の観念を生じさせることのない商標であると思料する。
したがって、本願商標と引用商標とは、観念上も類似することのない非類似の商標である。
(4) そこで、以下、称呼の点につき検討する。
(4-a) 本願商標は、上述のように、上段の英文字部分が「ACADPLUG」というように同書・同大・同間隔で一連に書され、下段の片仮名文字も上段の読みを表すべく、「エーキャドプラグ」と一連に書されたものであるから、この態様より、一連に「エーキャドプラグ」と称呼されると見るのが自然である。
この点に関し、審査官殿は、本願商標の前段である「PLUG」の文字部分を一般名称的にとらえ、前段である「ACAD」の部分にこそ商標の要部があるとみてこれを抽出し、単に「エーキャド」と称呼される場合もあると判断して、引例の「ACAD」を引用してきたものと思料するが、このように、本願商標の「ACADPLUG」から、その「ACAD」部分のみを抽出して称呼するというのは妥当な見方ではないと思料する。
本願商標「ACADPLUG」は、あくまでも「ACAD」と「PLUG」とを一体に結合して同書・同大・同間隔に書し、全体として「アカデミックなプラグ」等の意味合いを込めて造った商標であるが、全体として特定の観念を生じない造語商標であるから、前段部分「ACAD」と後段部分「PLUG」とに軽重の差を設けて、前段部分「ACAD」のみを抽出して称呼するようなことはすべきではない。本願商標は、その様なことのないように一連一体に結合して表記しているのであり、読みも片仮名で一連に「エーキャドプラグ」と書しているのである。しかも、本願商標は6音構成からなるものであるが、全体として一連に称呼して語呂がよく、決して称呼しにくい訳でもない。それ故、あえて「ACAD」と「PLUG」とを分断して、一方の「ACAD」のみを抽出して、「エーキャド」と単独で称呼すべき場合があるなどと考えるべきではない。本願商標の称呼は、あくまでも一連の「エーキャドプラグ」である。
これに対し、引用商標「ACAD」は、その態様より「エーシーエーディー」あるいは「エーキャド」と称呼されるものと思料する。
然るに、本願商標と引用商標とは、引用商標がたとえ「エーキャド」と称呼されたとしても、本願商標は「エーキャドプラグ」とのみ称呼されるものであるから、両者は「プラグ」の称呼の有無により、明らかに聴別でき、称呼上も決して紛れることのない非類似の商標であると思料する。
(4-b) ところで、御庁の電子図書館における商標出願・登録情報検索によって過去の商標登録例を検索してみると、「PLUG」「Plug」「プラグ」の文字を含む商標「α+PLUG」「α+Plug」「α+プラグ」と、含まない商標「α」とは、下記の如く、数多く存在しているのが分かる。
例えば、
(1) 第2530859号「ニュートラルプラグ」(株式会社エヌピーシー)と、
(2) 第4059360号「ニュートラル」(キャノン株式会社)。
(3) 第2724332号「SMART」(キャノン株式会社)と、
(4) 第4218516号「SmartPlug」(株式会社アクセス)。
(5) 第4218517号「FlexPlug」(株式会社アクセス)と、
(6) 第4351689号「FLEX」(モトローラ・インコーポレイテッド)。
(7) 第2588028号「MID/エム アイ ディー」(三井造船システム技研)と、
(8) 第4137118号「MIDPLUG/ミッドプラグ」(ヤマハ株式会社)。
(9) 第 534986号「アイ」(岩崎電気株式会社)と、
(10)第4103155号「iplug」(ソニー株式会社)。
(11)第2695564号「HOT PLUG」(アイワ株式会社)と、
(12)第2722113号「ホット」(株式会社メタテクノ)。
(*これらを第1号証乃至第12号証として提出する。)
これらのことから言えることは、これら各商標の出願審査において、担当審査官は、「α+PLUG」「α+Plug」「α+プラグ」の商標を、常にαと一体不可分の商標として取り扱っているということである。
つまり、担当審査官が、仮に「α+PLUG」「α+Plug」「α+プラグ」の商標のうち、「PLUG」「Plug」「プラグ」の文字部分を識別性のない部分であると判断し、他の文字部分αにこそ商標の識別性がある、などと判断して審査していたならば、これら登録商標のうち、(2)、(4)、(6)、(8)、(10)、(12)の商標は、それぞれ(1)、(3)、(5)、(7)、(9)、(11)の後願であることにより、全て拒絶されていたはずである。
然るに、拒絶されることなく登録されているということは、「PLUG」「Plug」「プラグ」の文字にも商標としての識別性を十分に認め、あくまでもこの「PLUG」「Plug」「プラグ」の文字を含めた商標全体として1つの不可分一体の商標を構成すると判断し、審査したからに他ならない。
本願商標と引用商標の関係も、これら(1)と(2)、(3)と(4)、(5)と(6)、(7)と(8)、(9)と(10)、(11)と(12)の各商標の関係と軌を一にするものであって、本願商標の「ACAD」「エーキャド」の部分のみをとらえて、称呼され、観念されるようなことはない。本願商標は、あくまでも、片仮名で読みを振ったように「エーキャドプラグ」とのみ一連に称呼されるべきものであり、それ故に引用商標の称呼である単なる「エーシーエーディー」ないし「エーキャド」とは、類似することはない。
(5) 以上のように、本願商標と引用商標とは、外観および観念上類似しないことは勿論、称呼上も「プラグ」の称呼の有無によって語感語調を全く異にし、聴者をして決して紛れることはないものと思料する。
よって、本願商標と引用商標とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものではないと思料する。

商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例目次