商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#95

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」× 引用商標「サマンサ」

1.出願番号  商願2010-73405
2.商  標   「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」
3.商品区分  第9類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  「サマンサ」と類似する。

出願商標・商標登録第5416957号
出願商標・商標登録第5416957号
引用商標・商標登録第2364227号
引用商標・商標登録第2364227号

意見書における反論

【意見の内容】
(1) 拒絶理由通知書において、本願商標は、学校法人文化学園所有の登録第2364227号「サマンサ」(第16類 雑誌)の登録商標(以下、引用商標という)と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定されました。しかしながら、両者は、指定商品の関係においては類似群26A01を共通にする商品を含むものの(本願「電子出版物」と引例「雑誌」とは類似群26A01)、商標に関しては、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛れることのない非類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと考えますので、前記認定には承服できず、以下に意見を申し述べます。
(2) 本願商標は、願書の商標見本から明らかなように、欧文字「HI!SAMANTHA」と片仮名文字「ハイ!サマンサ」をそれぞれ上下に一連に配して「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と二段に構成してなるもので、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品とするものであります。これに対し、引用商標は単に「サマンサ」の片仮名文字からなるもので、第16類「雑誌」を指定商品とするものであります。然るに、本願商標「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と引用商標「サマンサ」とは、外観上全く異なり、類似することはありません。
(3) 次に、観念の点についてみると、本願商標は、「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」のうち、前段の「HI!/ハイ!」の部分は、感嘆符(!)をともなって「やあ!」というような呼びかけや注意を促す語をあらわし、また、「SAMANTHA/サマンサ」は「女子の名」をあらわすもので、全体として「やあ!サマンサ」「ハイ!サマンサ」の如き、サマンサに対する呼びかけ等をあらわすものと思料します。これに対し、引用商標の「サマンサ」は女子の名「サマンサ」そのものを意味する語(名詞)であります。それ故、本願商標と引用商標とは、観念上も類似することはないと思料します。
(4) そこで、以下、称呼の点につき検討します。
 (4-a) 本願商標は、上述のように、「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と二段に書した態様よりなるものですので、通常、この片仮名部分より「ハイ!サマンサ」と称呼するのが自然であると考えます。この点に関し、審査官殿は、本願商標「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」のうち、「HI!」「ハイ!」と「SAMANTHA」「サマンサ」とを分断して把握し、「SAMANTHA/サマンサ」の部分も単独で商標の要部となり得ると判断し、登録第2364227号「サマンサ」を引用したのだと思料しますが、本願商標は、「HI!」「ハイ!」と「SAMANTHA」「サマンサ」とを分断して把握すべきではないと思料します。本願商標は、「サマンサ」(女子の名)に対する呼びかけや注意を促す意味を込めて「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と表示したものであり、これから「HI!」「ハイ!」の文字を取ってしまったのでは、呼びかけや注意を促すの意味が出てきません。「HI!」「ハイ!」の語を最初に配置することによって、初めて、呼びかけや注意を促す意味が出てきます。それ故、この「HI!」「ハイ!」は本願商標にあって重要な意味を有するもので、この部分を省略して本願商標を把握することはできません。「ハイ!サマンサ」と一連一体に把握して称呼・観念してこそ、本願願商標の識別力が発揮されます。そして、「ハイ!サマンサ」と称呼して冗長になるわけでなく、むしろ語呂も良く、一気に称呼して称呼し易いものです。よって、本願商標は、常に「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と一体に把握され、一連に「ハイ!サマンサ」とのみ称呼されるものと思料します。これに対し、引用商標は、単に「サマンサ」と称呼されるのみで、語頭音の「ハイ!」の音の有無によって、本願商標の称呼「ハイ!サマンサ」とは紛れるものではないと考えます。
(4-b) ところで、過去の商標登録例を見ると、語頭に「Hi!」「ハイ!」が有るか無いかの違いで登録され並存している例は、以下のように、幾つか存在します。
(A)第2098565号「キッズ」第30類ほか…伊藤ハム株式会社(第1号証)と、
(B)第4485291号「ハイキッズ/HI!KIDS」第30類…明治製菓株式会社(第2号証)。
(C)第3199831号「どこでもドア」第28類…パーソナルメディア株式会社(第3号証)と、
(D)第4398229号「ハイ!どこでもドア」第28類…株式会社エポック社(第4号証)。
(E)第4981314号「Hi!Catch」第16類…王子ネピア株式会社(第5号証)と、
(F)第5215416号「CATCH/キャッチ」第16類ほか…エステー株式会社(第6号証)。
(G)第4425378号「ブラザー」第25類ほか…ブラザー工業株式会社(第7号証)と、
(H)第5360558号「Hi!BROTHER」第25類…株式会社ブラザー(第8号証)。
 これら(A)「キッズ」と(B)「ハイキッズ/HI!KIDS」、(C)「どこでもドア」と(D)「ハイ!どこでもドア」、(E)「Hi!Catch」と(F)「CATCH/キャッチ」、(G)「ブラザー」と(H)「Hi!BROTHER」の商標のうち、後願である(B)(D)(F)(H)は、両指定商品に同一又は類似する商品を含んでいる以上、審査官殿のような考え方に従えば、それぞれ先願(A)(C)(E)(G)の存在により拒絶されていたはずであります。しかし、実際には登録されております。これは、「Hi!」「HI!」「ハイ!」の付くものとそうでないものとでは、非類似の商標であると判断したからに相違ありません。然るに、これら(A)「キッズ」と(B)「ハイキッズ/HI!KIDS」、(C)「どこでもドア」と(D)「ハイ!どこでもドア」、(E)「Hi!Catch」と(F)「CATCH/キャッチ」、(G)「ブラザー」と(H)「Hi!BROTHER」とがそれぞれ並存できて、本願商標「HI!SAMANTHA/ハイ!サマンサ」と引用商標「サマンサ」が並存できないとされる謂われは全くありません。これら(B)(D)(F)(H)の商標が登録できたのと同様に、本願商標は前後分断できない一体不可分の商標として、登録されて然るべきであります。
(5) 以上のように、本願商標は、あくまでも、「ハイ!サマンサ」とのみ一連に称呼されるべきものであり、それ故に引用商標の称呼である単なる「サマンサ」とは、類似することはありません。本願商標と引用商標とは、外観及び観念上類似しないことは勿論、称呼上も語頭の「ハイ!」の称呼の有無によって語感語調を全く異にし、聴者をして決して紛れることはないものと思料します。

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