商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#58

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「Assam Catalog Server」×引用商標「アッサム/ASSUM」ほか

1.出願番号  商願2003-80222
2.商  標  「Assam Catalog Server」
3.商品区分  第9類
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 登録第2138861号商標「アッサム/ASSUM」と類似する。

商標登録第4756351号
本願商標・商標登録第4756351号
引例商標・商標登録第2138861号

意見書における反論

(1) 拒絶理由通知書において、本願商標は、登録第2138861号(商公昭63-081357)の商標「アッサム/ASSUM」(以下、引用商標という)と同一又は類似するものであって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当すると認定された。しかしながら、本出願人は斯かる認定に承服できませんので、以下に意見を申し述べます。
(2) 本願商標は、願書の商標見本から明らかなように、「Assam Catalog Server」の欧文字を横書きした態様からなるものでありますが、引用商標は、「アッサム」の片仮名文字を上段に、「ASSUM」の欧文字を下段にして、「アッサム/ASSUM」と二段並記したものであります。審査官殿は、本願商標の構成が三つの単語からなって比較的長いことや、後二単語の「Catalog Server」がその言葉の意味として「カタログを管理するサーバー」の如き意味合いを有することから、この部分が商品の品質をあらわすと理解し、本願商標からは「Assam」の文字に相応した「アッサム」の称呼が生じると解して、引用商標「アッサム/ASSUM」(これは特定の観念を生じない造語であり、「アッサム」の称呼を生じる)を引用してきたのではないかと推察しますが、そのような考え方は妥当でないと考えます。
(3) 本願商標は多少長いとは言っても、全体がバランス良く配され、全体が一体的に把握できるものであって、「Assam」の文字のみが目立つようなことはありません。また、言葉の意味合いとして、「Assam」の文字が、本願指定商品との関係にあって全く関連性のない、紅茶の産地として有名な「インドのアッサム州」の英文字表記「assam」と同一綴りであり、また、「Catalog Server」が「カタログを管理するサーバー」程の意味合いを有するとしても、本願指定商品との関係にあって、具体的にこれらの文字が何をあらわすのか定かでありません。これらの言葉が直接かつ具体的に商品の品質内容を表示することはないでありましょうし、ましてや、「Catalog Server」の部分が品質表示と言うことはできないと考えます。それ故、本願商標は、全体として、ただ単に、構成文字が持つそれ自体の言葉の意味として「インドアッサム州のカタログを管理するサーバー」の如き意味合いを暗示させるかも知れませんが、商標法でいうところの特定の具体的観念を生じさせることはなく(商標法で言う観念とは、商標自体が客観的に有する意味を言うのではなく、商標を見又は称呼することにより、その商標を付した商品の需用者又は取引者が思い浮かべるその商標の意味と解します)、従って、本願商標の特に「Catalog Server」の部分が、商品の品質を普通にあらわしたものということはできないと考えます。
(4) また、日経BPデジタル大事典等を紐解くと、「ファイル・サーバー」(File Server:LANなどのネットワークでクライアントが共有する、ハードディスクなどにあるファイルを管理するサーバーのこと)とか、「プリント・サーバー」(Print Server:LANなどのネットワークでクライアントが共有するプリンタを管理するサーバーのこと)とか、 「データベース・サーバー」(Database Server:クライアント/サーバー・システムにおいて、データベースを管理するサーバーのこと)とかは、熟語として載せられているのですが、「Catalog Server」というのは、載せられておりません。それ故、本願商標の「Assam Catalog Server」は、全体として特定の具体的観念を生じさせない造語商標であって、全体を一体不可分の商標として把握すべきものであります(但し、具体的に特定の観念は生じないながらも、上述の如く「インドアッサム州のカタログを管理するサーバー?」の如き意味合いを暗示させるという意味において、全体としてまとまりのある造語商標であります)。本願商標は、素直に「アッサムカタログサーバー」とよどみなく称呼できるものであり、その様に一連に称呼して称呼しにくいものではありません。むしろ、単なる「アッサム」では何のことか分かりません。それ故、多少長い称呼ではあっても、本願商標を見た取引者・需用者は、これを省略して称呼することはないでありましょう。以上のように、取引者・需用者は、本願商標の「Assam」の部分のみを要部と捉えて、単に「アッサム」と称呼するようなことはないと思料します。つまり、本願商標の称呼は、あくまでも「アッサムカタログサーバー」であると考えます。
(5) そして、このことは、例えば、本出願人が、同じく第9類を指定商品として、以下に示す「Assam」の文字を含む商標を多数登録(登録査定)している事実からも伺い知ることが出来ます(以下のA~H参照)。
A.「Assam Whois」(第4173443号、H10.7.31登録)…第1号証、
B.「Assam Internet Applets」(第4209005号、H10.11.06登録)…第2号証、
C.「Assam WebBench」(第4393720号、H12.06.23登録)…第3号証、
D.「Assam WebGuard」(第4573808号、H14.05.31登録)…第4号証、
E.「Assam HelpDesk/アッサムヘルプデスク」(第4609731号、H14.10.04登録)…第5号証、
F.「Assam anyWarp」(第4655383号、H15.03.20登録)…第6号証、
G.「Assam PotalTemplate」(商願2003-77130、H16.2.9登録査定)…第7号証、
H.「Assam Reliability」(商願2003-77131、H16.2.9登録査定)…第8号証。
即ち、審査官殿の見方に従って、これらA~Hの商標も「Assam」の部分のみが商標の要部であると把握した場合には、これらよりも出願が先となる今般の引用商標「アッサム/ASSUM」(第2138861号、H01.05.30登録)の存在によって、これらA~Hの商標は拒絶されていたはずでありますが、現実には、上記のとおり、全て登録(ないし登録査定)されております。これは、これらの商標から、「Assam」の部分のみを要部として抽出できないことを意味しています。つまり、これらA~Hの商標が登録されたのは、これら全ての商標は、一連の称呼のみ生ずる一つの商標であると認定されたからに他なりません(或いは、少なくとも「Assam」のみを要部として抽出できない商標であると認定されたからに他なりません)。本願商標も同様でありましょう。本願商標は、これら「Assam」と「Catalog」と「Server」を結合して「Assam Catalog Server」と書した、特定の具体的観念を生じさせない造語商標であり、本出願人が過去に取得した上記A~Hの登録ないし登録査定商標である「Assam…」シリーズの一貫として出願した商標であります。これらA~Hの商標が登録できて、本願商標が登録できないとされる謂われはありません。同様に登録されて然るべきであります。
(6) このように、本願商標は、特定の具体的観念は生じないものの、全体で一つの意味合いを暗示させ、且つ全体がバランス良く配置され、称呼的にも全体として一連に称呼しやすいものであることから、「Assam」の部分のみ取り出して、単に「アッサム」と称呼されることはあり得ないと考えます。本願商標の態様からして、単に「アッサム」と称呼するのは、如何にも不自然であります。全体の称呼がやや長いことは認めるにしても、全体として一つの意味合いを暗示させるとともに、全体を一連に称呼して決して称呼しにくいわけではない以上、本願商標はあくまでも全体を一つの造語商標と把握し、称呼するのが自然であります。
(7) 以上の次第でありますので、本願商標と引用商標とは、外観および観念上類似することはないとともに、称呼上も「アッサムカタログサーバー」と、単なる「アッサム」との差異があって、両者は語感語調を全く異にし、取引者・需用者をして決して紛れることはないものと思料します。よって、本願商標と引用商標とは非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないと考えます。

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