商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#59

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「WindyPrint」×引用商標「カラーウィンディ/ColorWindy」

1.出願番号  商願2001-18718(拒絶査定に対する審判事件)( 審判2002-5962)
2.商  標  「WindyPrint」
3.商品区分  第9類:電子計算機用プログラム
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由 「WindyPrint」は「ColorWindy」に類似する。

商標登録第4781248号
本願商標・商標登録第4781248号
   
  
商標登録第4094396号
引用商標・商標登録第4094396号

審判における反論(請求の理由)

(1)手続の経緯
 出     願 平成13年 3月 2日
 拒絶理由の通知 平成14年 3月 1日(発送日:11年9月3日)
意  見  書   平成14年 3月 5日
 拒 絶 査 定 平成14年 3月29日
同 謄 本 送 達   平成14年 4月 1日
審 判 請 求 書 平成14年 4月 8日
手 続 補 正 書 平成14年 4月 8日
(2)拒絶査定の理由の要点
原査定の拒絶理由は、
  【拒絶査定の要点】
原査定は、『この商標登録出願は、平成14年2月27日付けで通知した理由(ただし、引用商標については、引用No.1に係る登録第4094396号との関係によるものに限る。)によって、拒絶をすべきものと認めます。なお、出願人は、意見書において種々述べ、証拠方法として第1号証乃至第10号証を提出していますが、以下の理由により、本願商標と引用商標とは互いに類似する商標と認められるものですから、さきの認定を覆すことはできません。本願商標は、「WindyPrint」の欧文字を表示してなるものですが、これはその構成全体をもって常に不可分一体のものとして把握しなければならない特別の事情は何ら見出せないものであるところ、その構成中、後半部の「Print」の欧文字は、「印刷する。印刷。」等を意味する親しまれた英語であることから、特にその指定商品中「電子応用静電複写機,電子計算機用プリンタ」等の印刷関係の機器との関係では、商品の内容をイメージさせるに止まる語であるといえ、その限りにおいては格別自他商品識別力を発揮する語であるとまでは認められないものです。これに対して、前半部の「Windy」の欧文字は、「風の強い、風のような」等を意味する親しまれた英語であって、その指定商品との関係では何ら商品の内容等をイメージさせる語ではないことから、自他商品識別力を十分発揮する語であると認められます。そうとすれば、本願商標は、その指定商品中「電子応用静電複写機,電子計算機用プリンタ」等の印刷関係の機器との関係においては、「Windy」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえ、これより生ずる称呼をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当です。したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「ウィンディプリント」の一連の称呼が生ずるほか、「Windy」の文字部分に相応して「ウィンディ」(風の強い、風のような)の称呼・観念をも生ずるものであるというべきです。 一方、引用商標は、「ColorWindy」の欧文字と「カラーウィンディ」の片仮名文字とを二段に表示してなるものですが、その構成中、前半部の「Color」及び「カラー」の各文字は、その指定商品中「カラー対応の電子応用静電複写機,カラー対応の電子計算機用プリンタ」等のカラー印刷関係の機器との関係では、単にそれらの商品がカラー対応の商品であることをイメージさせるに止まる語であるといえ、その限りにおいては格別自他商品識別力を発揮する語であるとまでは認められないものです。そうとすれば、引用商標は、その指定商品中「カラー対応の電子応用静電複写機,カラー対応の電子計算機用プリンタ」等のカラー印刷関係の機器との関係においては、本願商標の理由と同様に、「Windy」及び「ウィンディ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえ、これより生ずる称呼をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当です。したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「カラーウィンディ」の一連の称呼が生ずるほか、「Windy」の文字部分に相応して「ウィンディ」(風の強い、風のような)の称呼・観念をも生ずるものであるというべきです。してみれば、本願商標と引用商標とは、外観においては相違するものの、「ウィンディ」(風の強い、風のような)の称呼・観念を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似の商品と認られるものです。 よって、結論のとおり、本願を拒絶します。
 おって、出願人は、過去の登録例(第1号証乃至第10号証)を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張していますが、本願商標については、上記認定のとおり判断するのを相当とするものですから、仮にその結果、過去における登録例との関係で矛盾した判断になるとしても、審査の判断は、事案毎に個別・具体的になされるべきであるといえ、必ずしも過去の一部の登録例に拘束される理由はないというべきです。したがって、当該主張は採用することができません。』というものであります。
【本願商標が登録されるべき理由】
然るに、本出願人は、意見書において、本願商標はあくまでも一連一体の商標であって、引用商標とは類似しないことを主張したにもかかわらず、かかる認定をされたことに対しては、過去の登録例との関係で納得できないところがありますが、今回は審査官の意見も一部取り入れて、本願商標の指定商品を内容表示に当たらない商品に補正しましたので、拒絶の理由は解消したものと思料します。以下、この補正した指定商品を前提に、本願が登録されるべき理由を申し述べます。
(a)本願商標の構成
本願商標は、願書の商標登録を受けようとする商標に表示したとおり、欧文字で「WindyPrint」と書した態様からなり、指定商品を今回の補正により、第9類「電子計算機用プログラム」とするものであります。
 (b)引用商標1の構成
これに対し、引用商標1は、上段に片仮名文字の「カラーウィンディ」を配し、下段に欧文字の「ColorWindy」を配して、上下二段に「カラーウィンディ/ColorWindy」と書したもので、第9類「電気通信機械器具(テレビジョン受信機・ラジオ受信機・音声周波機械器具・映像周波機械器具を除く),電子応用機械器具及びその部品,写真複写機」を指定商品とするものであります。なお、この拒絶査定時においては、拒絶理由通知段階で引用した引用商標2及び3の引用を取りやめております。これは、こちらが意見書で指摘した引用商標1と引用商標2,3とを同時に引用することの矛盾に、審査官自身気が付いたからだと思います。そして、無効理由を包含する虞のある引用商標2及び3の方をこの拒絶査定の引例から外したものと思われます(この引用商標2,3は引用商標1よりも後願である故)。
(c)審査官の認定に対する反論
上記したように、本出願人は、本日付けで、指定商品を本来使用を予定している「電子計算機用プログラム」に限定する補正を行いましたが、これは、拒絶査定における審査官の次の指摘を考慮してのものです。(審査官の指摘)『…本願商標は、……その構成中、後半部の「Print」の欧文字は、「印刷する。印刷。」等を意味する親しまれた英語であることから、特にその指定商品中「電子応用静電複写機,電子計算機用プリンタ」等の印刷関係の機器との関係では、商品の内容をイメージさせるに止まる語であるといえ、その限りにおいては格別自他商品識別力を発揮する語であるとまでは認められないものです。…』つまり、この審査官の指摘によれば、本願商標を構成する「Print」の欧文字は、印刷関係機器との関係においては商品の内容を表示するもので、格別自他商品識別力を発揮する語ではないということであります。よって、本出願人は、この商品内容をイメージさせる虞のある指定商品を削除し、そしてそれ以外の商品のうちでも、特に出願人が使用を予定している商品である「電子計算機用プログラム」に指定商品を限定したものです。このように指定商品を「電子計算機用プログラム」に限定した結果、本願商標の後半部である「Print」の欧文字部分は、前半部の「Windy」の欧文字部分同様、その指定商品との関係では何ら商品の内容等をイメージさせる語ではなく、自他商品識別力を十分に発揮する語であると思料します。そして、指定商品との関係で識別力を発揮する2つの欧文字部分から成る本願商標「WindyPrint」は、意見書でも述べたように、あくまでも「Windy」と「Print」とを一体に結合して同間隔に左右5文字ずつバランス良く配置し、全体として特定の観念を生じさせない一連一体の結合商標でありますので、前段部分「Windy」と後段部分「Print」には、外観的にも観念的にも軽重の差はなく、また、7音構成から成るものの全体として一連に称呼して冗長にならず、語呂もよく称呼し易い商標でもありますので、本願商標はその構成全体をもって不可分一体のものとして把握すべきであります。つまり、本願商標は、識別力を発揮する文字同士の結合商標でありますし、他にも前段又は後段を単独で称呼するような特別な事情は存在しないと思います。それ故、少なくとも「電子計算機用プログラム」を指定商品とする限り、「Windy」部分を抽出して、単に「ウィンディ」と称呼されるようなことはないと考えます。本願商標の称呼は、あくまでも一連の「ウィンディプリント」のみであると思料します。
以上の次第でありますので、たとえ、引用商標1から「ウィンディ」の称呼・観念が生じたとしても、本願商標は常に「ウィンディプリント」とのみ一連に称呼・観念されるものであり、両者類似することはないと考えます。
【むすび】
以上のように、指定商品を「電子計算機用プログラム」に限定した本願商標の「WindyPrint」は、「Print」の欧文字部分であっても、該指定商品との関係において、商品の内容を表示するものではなく、十分に識別力を発揮する語であると考えます。したがって、本願商標は、常に一連に「ウィンディプリント」とのみ称呼・観念されるべき商標でありますので、たとえ引用商標1から「ウィンディ」の称呼・観念が生じたとしても、「ウィンディ」(風の強い、風のような)の称呼・観念を共通にすることはなく、両者は非類似の商標であると考えます。よって、本願商標は充分に登録適格性を備えたものであり、「原査定を取り消す、本願の商標は登録をすべきものである」との審決を求める次第であります。
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(参考)ケース59の「審決」
不服2002- 5962
   商願2001- 18718拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
 結 論
   原査定を取り消す。
   本願商標は、登録すべきものとする。
 理 由
  1 本願商標
   本願商標は、「WindyPrint」の文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年3月2日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、当審において同14年4月8日付け手続補正書により、第9類「電子計算機用プログラム」と補正されたものである。
  2 引用商標
   原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4094396号商標(以下「引用商標」という。)は、「カラーウィンディ」及び「ColorWindy」の文字を二段に横書きにしてなり、平成7年5月24日登録出願、第9類「電気通信機械器具(テレビジョン受信機・ラジオ受信機・音声周波機械器具・映像周波機械器具を除く),電子応用機械器具及びその部品,写真複写機」を指定商品として同9年12月19日に設定登録されたものである。
  3 当審の判断
   本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、構成各文字は全体として外観上まとまりよく一体的に表されていて、しかも、全体の構成文字より生ずる「ウインディープリント」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼できるものである。そして、たとえ構成中の「Print」の文字部分が「印刷する、印刷」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品の品質等を表示するものとして直ちに理解できるものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握される一種の造語とみるのが自然である。そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「ウインディープリント」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。他方、引用商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、構成各文字は全体として外観上まとまりよく一体的に表されていて、しかも、全体の構成文字より生ずる「カラーウインディー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ構成中の「カラー」及び「COLOR」の文字部分が「色彩」等を意味する語であるとしても、かかる構成においては、特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握される一種の造語とみるのが自然である。そうとすれば、引用商標は、その構成文字全体に相応して「カラーウインディー」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。そして、本願商標と引用商標とは、相違する各音の音質の差、音構成の差により区別できるものである。また、両商標は、前記の構成よりみて外観において明らかに区別し得る差異を有するものであり、観念においても、共に造語であるから比較すべくもないものである。そうすると、本願商標と引用商標は、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても、類似しない商標といわざるを得ない。したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
   よって、結論のとおり審決する。
        平成16年 5月28日
        審判長   特許庁審判官 小林 薫
              特許庁審判官 岩崎 良子
              特許庁審判官 池田 光治

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