商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#5

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標 「家族」×引用商標「family/ファミリー」

1.出願番号   平成6年商標登録願第75586号
2.商標   「家族」
3.商品区分   第3類:せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き
4.適用条文 商標法第4条第1項第11号
5.拒絶理由  「家族」は「family/ファミリー」に類似する。

出願商標
引例商標1 登録第629585号
引例商標2 登録第523674号

意見書における反論

(1)拒絶理由通知書において、本願商標は①登録第629585号(商公昭38-11568号)の商標(引用商標1)、及び②登録第523674号(商公昭33-4602号)の商標(引用商標2)と類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し登録できないと認定された。

 しかしながら、本出願人は、かかる認定に承服できないので、以下に意見を申し述べる。

(2)本願商標は、願書に添付した商標見本からも明らかなように、漢字で「家族」と横書きしてなるものである。

 これに対し、引用商標1は、片仮名文字で「ファミリー」と横書きしてなるものであり、引用商標2は、英文字と片仮名文字で二段に「family/ファミリー」と書してなるものである。

 従って、両者は、外観上類似しないことは明らかである。

また、上記態様より、本願商標は「カゾク」と称呼されるのに対し、引用商標1及び2は共に「ファミリー」と称呼され、称呼上も類似しないことは明らかである。

(3)そこで、観念の点につき検討するに、本願商標は字義どおり「家族」の観念を有するものであり、引用商標は「ファミリー」ないし「family」の文字に相応して「ファミリー(家族。家庭。一家。一族。同族。)」の意味を有するものである点で、字義的には同一の意味を含んでいるということができる。

 しかしながら、ここでいう観念とは、商標自体が客観的に有する意味を言うのではなく、商標を見又は称呼することにより、その商標を付した商品の需用者又は取引者が思い浮かべる(イメージする)その商標の意味と考えられる。

 そのような観点に立って考えると、本願の指定商品である「石けん類,化粧品等」にあっては、漢字から受けるイメージと片仮名文字ないし英文字から受けるイメージとでは、たとえその客観的な意味が同じだとしても、違ったものになるのではないかと考える。つまり、化粧品に「家族」と表示した場合と、化粧品に「family/ファミリー」と表示した場合とでは、取引者・需用者が別の出所から出た商品であると理解するのではないかと考える。つまり、「家族」と「family/ファミリー」とでは、イメージを大切にする化粧品等の商品との兼ね合いにおいて、その受けるイメージが全く異なってしまうため、両者を混同することはないと考える。

 このことは、商標の類否判断に当たって、観念類似がほとんど考慮されない「新聞,雑誌」等の商品分野と軌を一にするところがあると思われる(例えば、日刊スポーツとデイリースポーツは非類似とされている)。

従って、本願商標と引用商標1及び2とは、単純に観念類似と言うこともできないと考える。

(4)以上のように、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、紛れることのない非類似の商標である。

 よって、本願商標は引用商標の存在如何にかかわらず、充分登録性を有するものと思料します。

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