商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#33

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標:「HAND DRIP CAFE /EXQ./エクスキ」

1.出願番号  商願2001-27584
2.商  標  「HAND DRIP CAFE /EXQ./エクスキ」
3.商品区分  第16、21,30,42類
4.適用条文 商標法第4条第1項第16号
5.拒絶理由  本願商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている)の文字を有してなるものであるから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

商標登録第4566652号

意見書における反論

(1)拒絶理由通知書において、審査官殿は、本願の拒絶理由として、以下の2つの点を示された。
「1.この商標登録出願に係る商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている)の文字を有してなるものですから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認めます。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第16号に該当します。
 2.この商標登録出願に係る商標は、第4452468号登録商標(以下、引用商標という)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものですから、商標法第4条第1項第11号に該当します。」
これに対し、本出願人は、以下のとおり意見を申し述べます。
(2)拒絶理由2について
 本願商標の商標構成態様は、「EXQ.」の文字を中央に大きく描き、その上に欧文字で小さく「HAND DRIP CAFE(Eの上にはアクサン-テギュ)」と書し、且つ「EXQ.」の下には小さく「[エクスキ]」と書した三段構成であるのに対し、引用商標は、「EXQ」の欧文字を上段に、「イクスキ」の片仮名文字を下段に書した二段構成から成るものであります。したがって、これら両者は「EXQ」の文字を共通にし、且つ称呼も「エクスキ」と「イクスキ」でありますので、互いに類似する標章であることは認めます。
 しかしながら、本出願人は、その指定商品中より、引用商標の指定商品(具体的には引例の第14類「貴金属製食器類」)と同一又は類似する指定商品の第21類「食器類(貴金属製のものを除く。)」(類似群19A03)を削除する補正を行いましたので(本日付け提出の手続補正書参照)、両商標の指定商品同士は抵触する可能性が全く無くなりました。
 よって、本願商標は商標法第4条第1項第11号には該当しなくなったものであり、拒絶理由2は解消したものと思料します。
(3)拒絶理由1について
 そこで、次に、拒絶理由1について意見を申し述べます。
(3-1)
 審査官殿のご指摘によれば、本願商標は、その構成中に「コーヒー」を意味するCAFE(Eの上にはアクサン-テギュが付されている。以下同じ。)の文字を有してなるものであるから、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある、ということであります。
 しかしながら、本願商標は、「CAFE」の文字を中心に置いて殊更に「CAFE」を強調するような態様ではなく、中心に置いた文字はあくまでも欧文字で大書した「EXQ.」であります。そして、その下には読みを表す小さな[エクスキ]の文字を書し、「HAND DRIP CAFE」は、中央の「EXQ.」の上に小さく書したいわば説明書きであります。つまり、「HAND DRIP CAFE」は「ハンドドリップスタイルにこだわったCAFE(喫茶店)あるいはコーヒー」であることを謳ったものであります。
 本出願人は、本願商標の指定対象として、この第30類その他の指定商品以外にも、第42類の指定役務「飲食物の提供」を指定しております。そのことからも容易に理解できると思いますが、本願商標「EXQ.」は、喫茶店での使用(店名としての使用)を想定しております。上段の説明書き「HAND DRIP CAFE」は、「ネルドリップによる一杯だてのハンドドリップスタイルのコーヒーにこだわったカフェ(喫茶店)」ということを表示したものです。この「CAFE」の文字は、フランス語として捉えれば「コーヒー」ですが、「喫茶店」という意味もあります(広辞苑で「カフェ」を引くと「喫茶店」を意味しておりますし、日本で「カフェ」といえば一般的には「喫茶店」を指称すると思います)。
 すなわち、本出願人は、新しいタイプのカフェ「ハンドドリップカフェ~EXQ.(エクスキ)」を昨年(平成13年)6月11日(月)、日本橋本町にオープンいたしましたが、「HAND DRIP CAFE」は「本物のコーヒーにこだわった喫茶店」を強調するために表記したもので、ネルドリップによる一杯だてのハンドドリップスタイル<Cafe>に、毎日工場直送の新鮮なレギュラーコーヒーを販売する<Shop>を併設した、本当においしいコーヒーを楽しんでもらうための新しい業態のカフェを志向したものです。つまり、「コーヒーマシーン抽出」が前提のカフェが増化する中、その味やサービスに満足できない、飽き足らない顧客のために「本物のコーヒー」にこだわり、これを追求した喫茶店です。現在、コーヒーのいれ方は多種多様になっていますが、最もおいしいと言われる抽出方法はネルドリップです。「EXQ.」では手作りの良さを追求し、かつ安定した味のコーヒーを提供するため、ネルドリップ抽出器具を特別に開発し、1杯1杯丁寧にネルドリップで抽出したコーヒーを提供する。そんなこだわりの喫茶店を表すために、「HAND DRIP CAFE」(ハンドドリップスタイルのコーヒーを提供するカフェ)の文字を店名とともに「EXQ.」の上に表記したものです。
このように喫茶店名(若しくは喫茶店におけるコーヒー抽出方法)としての本願商標を想定するならば、「HAND DRIP CAFE」の文字が商標中にあるからといって、「コーヒー」に商品を限定しなければならない理由はないはずです。まして、商品の品質の誤認が生じるなどということはあり得ないはずであります。なぜなら、「コーヒー」しか提供しない喫茶店など常識的にあり得ないからであります。逆に言うと、喫茶店名に「HAND DRIP CAFE」の文字があるからといって、コーヒー以外のものは何も提供しない喫茶店だなどと誰も思うはずがないということであります。この文字があってもせいぜい「ハンドドリップで入れるコーヒーにこだわりのある喫茶店」程度のことしか、需用者は想定しないと思われます。したがって、審査官殿が主張する品質の誤認など、実際の取引の場においては起こり得るはずはないものと思われます。
(3-2)
このことは、過去の商標登録例を見ても言い得ることです。つまり、審査官殿の主張が正しいとすれば、「CAFE」の文字を含む商標は、第30類(旧29類)を指定する場合において、その指定商品は全て「コーヒー」でなければならないということになるのでありましょうが、実際にはコーヒー以外の商品を指定しても、以下の如く多数登録されております。
 1.登録2156943 ¢CAFE NA SOMBRA\カフェ・ナ・ソンブラ…第1号証
 2.登録2666819 SINCE\¢CAFE SWISSINN\1979…第2号証
 3.登録2694595 カフェクリエイター\¢CAFE CREATOR…第3号証
 4.登録2711997 カフェ・ド・ラ・ペ\¢Cafe de la Paix…第4号証
 5.登録3250446 ¢Cafe\no\Bar …第5号証
 6.登録4058586 FREDS\CAFE …第6号証
 7.登録4215206 ¢Cafe\commeca …第7号証
 8.登録4232108 ¢Cafe\FIORENTE\カフェ フィオレンテ…第8号証
 9.登録4259571 ¢CAFE LOLITA\カフェ ロリータ …第9号証
10.登録4259694 ¢Ucc Cafe Cafe …第10号証
11.登録4419064 §theisland\cafe …第11号証
12.登録4441586 ¢Cafe\CASTEL …第12号証
13.登録4503221 ¢Cafe\commeca …第13号証
14.登録4527701 ¢Q.E.D.cafe …第14号証
 また、第30類(旧29類)では無くても、他の商品区分(第28,29,31,32)に属する飲食料品や嗜好品等を指定商品とするもので、「CAFE」の文字を含む商標は、やはり以下のとおり多数存在しています(これらはほんの一部です)。
 1.登録2268942 ¢CAFE\DE\PARIS …第15号証
2.登録2363832 ¢LesPres∞RESTAURANT\CAFE…第16号証
 3.登録2426308 ¢CAFE∞LeCoq∞キャフェ・ル・コック …第17号証
 4.登録2445151 §PiraRuCu\CAFE\THECARIBBEANCAFE&RESTAURANT …第18号証
 5.登録2450760 ¢CAFE\LeCoq\キャフェ・ル・コック …第19号証
 6.登録2552233 ¢CAFE\dela\PAIX …第20号証
 7.登録2590372 ¢CAFE\dela\PAIX …第21号証
 8.登録2624481 The River ¢Cafe …第22号証
 9.登録2697530 ¢CAFE QUICK …第23号証
 10.登録2711428 ¢MON CAFE …第24号証
 11. 登録3208602 ¢Cafe de Flore …第25号証
 12. 登録3337070 ¢CAFE~\TASSE …第26号証
 13. 登録4274287 ¢KonditoreiーCafe\GLUCKSーSCHWEIN∞Seit1987 …第27号証
 14. 登録4311640 オープンカフェ\¢OPEN CAFE …第28号証
15. 登録4468428 ビクトリーカフェ\¢VICTORY CAFE …第29号証
16.登録4523030 §Cafe\LA\SHOWER\カフェ・ラ・シャワー…第30号証
(3-3)
この様に、「CAFE」の文字を含んでいても、指定商品を「コーヒー」に限定されることなく登録された例は多数にのぼります。本願商標もこれら多くの登録商標と軌を一にするものであり、登録適格なものと思料します。したがって、本願商標は、その構成中に「コーヒー」「喫茶店」を意味する「CAFE」の文字を有してなるものですが、これを本願指定商品中の「コーヒー」以外の第30類に属する商品に使用しても、前記多くの登録例と同様に、商品の品質について誤認を生じさせるおそれは全くないものと考えます。それ故、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当することはないものと思料します。

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