商標登録+α: 拒絶理由通知に対する意見書記載例#106

意見書例 +α

特許庁審査官等から受けた拒絶理由通知等に対し、反論した「意見書、審判請求書」の具体例を小川特許商標事務所のサイトから転載しております。

本願商標「プレケア」

1.出願番号  商願2018-78251
2.商  標「プレケア」
3.商品区分  第44類 脚やせ・痩身を主とするエステティック美容
4.適用条文商標法第3条1項6号
5.拒絶理由 これに接する取引者・需要者は、「髪のカット、パーマ、カラーリング等の施術やエステティック美容の施術前に前処理剤を用いて行う事前処置」又は「婚礼前に行う顔、身体等へのエステティック美容又はヘアメイク」であると理解、認識するにとどまり、自他役務を識別するための商標とは認識し得ない。

出願商標・商標登録第6142348号

意見書における反論

【意見の内容】
(Ⅰ) 拒絶理由通知書において、本願商標は、「プレケア」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同書、同大、等間隔で一体的に表されているものの、その構成中の「プレ」の文字が「(接頭語として)『それ以前』『その前』の意を表す」語であり、また、「ケア」の文字が「手入れ」の意味を有する、ともに広く親しまれた語であることから(ともに株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)、本願商標は、全体として「事前の手入れ」程の意味合いを容易に理解させるものです。そして、本願指定役務を取り扱う業界においては、「プレケア」の文字は、「髪のカット、パーマ、カラーリング等の施術やエステティック美容の施術前に前処理剤を用いて行う事前処置」及び「婚礼前に行う顔、身体等へのエステティック美容又はヘアメイク」を指称する語として使用されている実情が見受けられます(下記インターネット情報参照)。そうしますと、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「髪のカット、パーマ、カラーリング等の施術やエステティック美容の施術前に前処理剤を用いて行う事前処置」又は「婚礼前に行う顔、身体等へのエステティック美容又はヘアメイク」であると理解、認識するにとどまり、自他役務を識別するための商標とは認識し得ないというのが相当ですから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認めます。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当します。」と言うものであります。
(Ⅱ)そして、審査官殿は、ウェブサイトにおける「プレケア」の使用例として、以下(1)~(7)の7つのウェブサイトを挙げています。
(1)美容院「Alo」のウェブサイト
「ブログ」のページ中、「カラーやパーマのプレケアでダメージレスになろう。」の見出しのもと、「美容室における前処理剤(プレケアトリートメント)とはパーマやカラー等を始める前の段階で毛髪のダメージ部分の薬剤の浸透を穏やかにしたり、パーマやカラー等のかかり具合や染まり具合をベストな状態にして、より良い状態を持続させるための施術です。Aloでは何種もの用途に応じた前処理剤を使用しています。・・・(中略)・・・カウンセリング時にAloスタッフにご相談下さい。」の記載があります。
http://alo-hairdesign.co.jp/blog/?p=333
(2)「RakutenBeauty」のウェブサイト
美容院「MODE K’s RISE 吉祥寺店」のページ中、「艶っぽさを導き出すプレケアTr・3STEPTrで理想以上の髪色を手に入れて。持ちの良さも◎補修力にこだわるMODE K’s。髪内部にたっぷり栄養を入れ込み浸透させるので、ダメージ毛や乾燥毛に悩む方も、手触りのしっとり感には感動」の記載があります。
https://beauty.rakuten.co.jp/s5000019079/tk2/
(3)美容院「Mx2」のウェブサイト
「髪に栄養とトリートメント 1(審査官注:丸付き「1」)宮崎 松島 稗田」の見出しのもと、「『プレケアについて 宮崎』プレケアはトリートメントの中でも、お客様に実感して頂けないわかりにくいトリートメントです。トリートメントをしたと思えるツヤツヤ・サラサラな手ごたえはありません。しかし、髪に薬液を施術させていただく美容師にとってはとても重要なトリートメントになります。お客様の髪は一つのコンディションではありませんし、一つの髪質でもありません。色々な状態の髪をなるべく、一つの髪の調子にした上で、薬液を効かせる必要があります。当店では、施術前に使うプレケアトリートメントにリトルサイエンティストの『ベータレイヤー』と『3種混合原液』を使っています」の記載があります。
http ://www.hair-mx2.com/2017/09/04/648/
(4)美容院「nils」のウェブサイト
「メニュー」のページ中、「ヘアエステコース」の見出しのもと、「カラーエステ・・・(中略)・・・※パーソナルカラー診断・カット・プレケア・カラー・トリートメント・スパ」及び「パーマエステ・・・(中略)・・・カット・プレケア・パーマ・トリートメント・スパ」の記載があります。
https://www.nils-hair.com/menu/
(5)「Wish新横浜」のウェブサイト
「Facial」のページ中、「気軽に通えるエステティックサロン」の見出しのもと、「半顔ミニエステ(約15分) 目から下の顔半分で体験コース ●クレンジング→プレケア→ローション→ゲル」及び「クイックコース(約30分) 椅子でクレンジング~お仕上げまでの簡易コース ●クレンジング→プレケア→ローションパック→ゲル」の記載があります。
https://wishhair.com/shinyokohama/facial.html
(6)「original-wedding.nt」のウェブサイト
「ウェディング用語辞典」のページ中、「ビューティ」の見出しのもと、「プレケア」として、「ブライダルエステ 結婚式に備えて行うエステのこと。・・・(中略)・・・ヘアメイクリハーサル 結婚式の前にヘアメイクを試してみること。美容師に相談しながら、自分の思い描くイメージと実際に似合うヘアメイクを調整・確認していく。・・・(中略)・・・シェービング シェービング(shaving)とは、顔のうぶ毛をきれいに剃ってもらうことで、挙式・披露宴当日に化粧のノリを良くする手段。」の記載があります。
http://www.original-wedding.net/dic/beauty/precare.html
(7)「ブライダルエステBiE」のウェブサイト
「カスタマイズビューティー トータルプレケア」の見出しのもと、「何を一番ケアしたいか?1回にできる時間が少ない、何回も通うことができない…など、花嫁様おひとりおひとりによって内容をカスタマイズできるプログラム。お肌の状況に合わせて回数や日程などを、カウンセリングを行ないながらご提案いたします。前撮り前日のケア、新郎様のフェイシャルや、お母様へのプレゼントも組み込めます。ご予算10万円コース/15万円コース/20万円コース 体験フェイシャル1回5,000円(税別) 体験ボディ1回5,000円(税別) ブライダルのプレケアのご予算がお決まりの方は、是非このメニューをご利用下さい。」の記載があります。
http://bie-and.co/esthe.html
(注)上記ウェブサイトの最終閲覧日は、すべて 2019年4月3日です。
(Ⅲ) しかしながら、本出願人は、「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関して本願商標の「プレケア」は、十分に識別標識としての機能をを果たし、商標法第3条第1項第6号に該当するものではないと考えますので、以下に意見を申し述べます。
なお、本出願人は、本書と同時提出の手続補正書において、本願の指定役務を「理容,美容」から「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に限定する補正を行いましたので、この補正した指定役務に基づいて、意見を申し述べます。
(Ⅳ) ところで、インターネット情報によれば、「プレケア」の言葉は、本来、洗濯一般などの分野において特に活用されているキーワードであることが分かります。即ち、あらかじめプレケア洗剤を衿や袖に塗ってから、洗濯機で普通に洗うことで、汚れが取れやすくなるということを指す言葉として、洗濯業界においては、プレケア洗剤などの言葉が使用されているようであります。
しかしながら、今般補正して明確にした本願商標の指定役務である「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関しては、その指摘は当たらないと考えます。
なるほど、審査官殿ご指摘のとおり、別掲のウェブサイト等によれば、「プレケア」の文字を用いた説明が各種のインターネットサイトでなされているようであります。
しかし、「プレケア」の言葉は、例えば、審査官殿ご指摘のウェブサイト(1)(2)(3)(4)に示すように、「毛髪」に関して、パーマやカラー等を始める前の段階で、毛髪のダメージ部分の薬剤の浸透を穏やかにしたり、パーマやカラー等のかかり具合や染まり具合をベストな状態にして、よりよい状態を持続させるための施術として用いられているにすぎません。
あるいはまた、審査官殿ご指摘の、ウェブサイトで、(5)にあるように、目から下顔半分のメイクの前処理を指す言葉であったり、(6)のブライダルにおけるヘアメイクの調整・確認のためのものであったり(ここでは単に「結婚式の前にヘアメイク等を試してみる」という意味で「プレケア」と称しているに過ぎません。前処理というものではありません。結婚式本番に前もって似合うかどうか試してみるといった程度の意味です。あるいは、「挙式・披露宴当日に化粧のノリを良くするために、顔のうぶ毛をきれいに剃ってもらうことを「プレケア」と呼んでいるようです)、そして更には(7)のブライダル前日のフェイシャルケアのことを「プレケア」と述べたものであったりで、決して「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関するものではありません。
つまり、審査官殿ご指摘のウェブサイト(1)~(7)で用いられている「プレケア」は、今般の補正により、明確にした本願商標の指定役務である「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関するものではありません。
「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関する前処理は、一律に行えるものではなく、前処理なのか本処理なのか、施術前に必ず必要とするものなのか必要としないものなのか、厳密に区別できるような性質のものではありません。従って、脚やせ・痩身を主とするエステティック美容業界において、普通に「プレケア」を使うことはあまりありませんし、単に「プレケア」では、何の施術なのか、説明がなければよく分かりません。「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」においては、きちんと施術の中身を明かさなければ施術の内容は分かりません。「プレケア」だけでは分かりません。この「プレケア」は、広辞苑等に載せられた既存の言葉でも単語でもありません。十分に識別力を持つ特定の意味を有しない造語商標であります。審査官殿は、一連一体に記載した「プレケア」を、「プレ」と「ケア」に分けて、それぞれの意味を探り、英文字の「pre」と「care」を当てはめ、全体として「事前の手入れ」程の意味合いを容易に理解させるから、識別力が無いと認定していますが、そもそもそのように分断して解釈すべきものではないと思います。「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」にとって、「プレケア」を無理矢理「事前の手入れ」と解釈する意義は一体どこにあるのでしょうか。健康に配慮しながら、脚やせや痩身を行うエステティック美容にとって、事前の手入れ・施術はそんなに簡単なものではありませんし、一律に行えるものではありません。本願商標は一連の片仮名で「プレケア」と書した造語で、単に英文字の「precare」の読みを表示したものではありません。
髪のカット、パーマ、カラーリング等の施術前に、前処理剤を用いて行う事前処置や婚礼前に行う顔、ヘアメイクに関する事前処理に関しては、ネットで検索すると、「プレケア」の言葉を用いた例も見受けられます。しかし、「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関しては、ウェブサイト(1)~(7)を見ても、「プレケア」を前処理として用いている例は無いように思います。
つまり、審査官殿ご指摘のインターネット情報によれば、成る程、「プレケア」の言葉は、洗濯一般のほかに、毛髪や顔の手入れ等に関しても使用されていることが伺い知れます。しかし、本願商標の対象とする指定役務である「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」の分野において用いられている例は、審査官殿ご指摘のインターネット情報(1)~(7)を見る限り無さそうです。
繰り返しますが、審査官殿は、一連一体に片仮名で書した本願商標の「プレケア」を「プレ」と「ケア」に前後分断し、「pre・care」の英文字からなる商標と理解しておりますが、本願商標は、あくまでも片仮名で「プレケア」と一体に把握すべき造語商標で、「pre・care」の称呼を表す仮名商標ではなく、むしろ一音一音明確に「プ・レ・ケ・ア」と称呼されるべき商標です。前後を二音ずつ分断して「プレ・ケア」と称呼されるような商標ではありません。
(Ⅴ)以上の次第でありますので、「脚やせ・痩身を主とするエステティック美容」に関して本願商標の「プレケア」は、十分に自他役務識別機能を備えた商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当するものではないと考えます。

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