米国商標実務: 使用証明についての変更点(2019年12月21日施行)

電子出願を必須とし、紙やFAXでの提出は受け付けなくなるとするUSPTOのルール改正が12月21日(10月5日に施行予定であったものが変更)に施行されますが、このルール改正と共に、受理される使用見本の要件(requirements for acceptable specimens)に関するルールも改正されます。

先ず、商品若しくは役務についてのウエブサイト(website)による使用見本(例えば、商標を使用している製品の紹介ページのスクリーンショット)では、URLとアクセス若しくは印刷の日を記載することが必須となります。アーティストの描写、プリンターの証明、コンピューターのイラスト、デジタル画像、または商標の表示の仕方についての類似の模造、または§2.51で必要な標章のコピーは、適切な使用見本とはなりません。使用を証明しようとする商標が表示されたラベルやタグは、商品と共に示されることが必要となり、商品と切り離されたタグやラベルの拡大写真は受理できない使用見本となります。包装に商標が表示されている場合には、写真では包装の外観だけはなく、包装の中身がその商品であることを示すことが求められます。使用見本は、恒常的な実際の取引における使用での態様が必要とされ、権利の維持のために準備されたものは受理できないものとなります。商品についての使用では、売り場での特質によるものを要します。

2.56 Specimens
(a) An application under section 1(a) of the Act, an amendment to allege use under § 2.76, a statement of use under § 2.88, an affidavit or declaration of continued use or excusable nonuse under § 2.160, or an affidavit or declaration of use or excusable nonuse under § 7.36 must include one specimen per class showing the mark as actually used in commerce on or in connection with the goods or services identified. When requested by the Office as reasonably necessary to proper examination, additional specimens must be provided.
(b)(1) A trademark specimen must show use of the mark on the goods, on containers or packaging for the goods, on labels or tags affixed to the goods, or on a display associated with the goods. To constitute a display associated with the goods, a specimen must show use of the mark directly associated with the goods and such use must be of a point-of-sale nature. The Office may accept another document related to the goods or the sale of the goods when it is impracticable to place the mark on the goods, packaging for the goods, or displays associated with the goods.

(2) A service mark specimen must show the mark as used in the sale of the services, including use in the performance or rendering of the services, or in the advertising of the services. The specimen must show a direct association between the mark and the services.

(3) A collective trademark or collective service mark specimen must show how a member uses the mark on the member’s goods or in the sale of the services, including use in the performance or rendering of the services, or advertising of the member’s services.

(4) A collective membership mark specimen must show use by members to indicate membership in the collective organization.

(5) A certification mark specimen must show how a person other than the owner uses the mark to reflect certification of regional or other origin, material, mode of manufacture, quality, accuracy, or other characteristics of that person’s goods or services; or that members of a union or other organization performed the work or labor on the goods or services.

(c) A clear and legible photocopy, photograph, web page printout, or other similar type of reproduction of an actual specimen that meets the requirements of paragraphs (a) and (b) of this section is acceptable. The reproduction must show the entire specimen or enough of the specimen that the nature of the specimen, the mark, and the good or service with which the mark is used are identifiable. A web page must include the URL and access or print date. An artist’s rendering, a printer’s proof, a computer illustration, digital image, or similar mockup of how the mark may be displayed, or a photocopy of the drawing required by § 2.51, are not proper specimens.

(d) The specimen must be submitted through TEAS in a file format designated as acceptable by the Office, unless:

(1) The mark consists of a scent, flavor, or similar non-traditional mark type, in which case the specimen may be mailed to the Office, pursuant to § 2.190(a), without resort to the procedures set forth in § 2.147; or

(2) Submission on paper is permitted under § 2.23(c) or is accepted on petition pursuant to § 2.147.

米国特許商標庁(USPTO) 商標_動画 (embedded) vol.13

1. What happens if my trademark registration is audited?、58:16

2. How to prepare for the new TEAS login requirement, 53:45

3. IP Attaché Program, 4:17

商標登録insideNews: Trademark Owners, Watch Out! USPTO Getting Strict On Specimens – Intellectual Property – United States

In order to register a trademark based on use in commerce, or to renew a registration based on a foreign or international registration, trademark owners are required to verify that the mark is in use in U.S. commerce… United States Intellectual Property Smith Gambrell & Russell LLP 19 Aug 2019

情報源: Trademark Owners, Watch Out! USPTO Getting Strict On Specimens – Intellectual Property – United States

In order to register a trademark based on use in commerce, or to renew a registration based on a foreign or international registration, trademark owners are required to verify that the mark is in use in U.S. commerce with all goods or services listed in the application or registration.  In addition, the mark owner must… Read more

情報源: Trademark Owners, Watch Out! USPTO Getting Strict on Specimens – SGR Law

Examination Guide 3-19 Examination of Specimens for Use in Commerce:Digitally Created or Altered and Mockup Specimens July 2019

According to the USPTO Commissioner of Trademarks, the United States Patent and Trademark Office (USPTO) has seen a significant increase in the number of applicants who are not fulfilling their legal and ethical obligations to file accurately and in good faith, particularly with respect to claims that the mark is in use in commerce. After studying the problem, the USPTO made two changes in application procedures designed to improve the overall quality of applications: (1) a new rule requiring foreign trademark applicants and registrants to be represented by a US-licensed lawyer, and (2) a new Examining Guide focused on detecting and rejecting falsified purported specimens of use in commerce.  Applicants can expect a higher level of scrutiny of their applications, particularly where the applicant is based outside the United States.

情報源: US Trademark Office addresses false or inaccurate filings | Eversheds Sutherland (US) LLP – JDSupra

米国特許商標庁の使用証拠検査制度

使用証拠の登録後検査制度(Post-Registration Proof of Use Audit Program)

米国ての商標登録の登録後の手続に関しては、Bose事件(In re Bose Corporation, No. 08-1448 (Fed. Cir. 2009))で、連邦巡回区控訴裁判所はMedinol Standard (使用宣誓書で全商品を使用していると宣誓したにも拘わらず、一部商品について不使用はフロードとする基準、Medinol Ltd. v. Neuro Vasx Inc., 67 USPQ2d 1205)を破棄し、商標権利者のミスで使用宣誓書の全商品を使用していなくとも権利無効とまではならないという判決を出しておりましたが、ここで米国特許商標庁(USPTO)は5年―6年目の使用宣誓書を提出した商標権者を抜き打ちで検査し、不使用の商品を含んで使用していると宣誓書を提出したか否かをチェックするシステム(Post Registration Proof of Use Audit Program)を始めています。2018年では10%程度が検査対象となると言われていましたが、米国特許商標庁は2019年には登録の正確性を維持するための改革を進めており、Auditプログラムを遂行するためのスタッフを増強し、年間5000件ぐらいは検査するのではと言われています。最近の統計では、検査対象者の79%が弁護士によって代理されており、そのうちの52%が商品またはサービスを削除する必要があることを示しています。さらに2020年8月予定の法改正で、Auditプログラムでの指摘に応じて商品を削除する補正は1つ商品を削除するごとに100USDの補正削除費用を必要となる見込です。

paper and pen

検査対象となる宣誓書

§8若しくは§71の使用宣誓書を提出し、商標登録が1つの区分だけの場合、4若しくはそれ以上の商品又は役務を含むとき、あるいは商標登録が少なくとも2区分の場合、その少なくとも2区分で2若しくはそれ以上の商品又は役務を含むときに検査対象となることがあります。検査対象とされた場合は、使用宣誓書を提出した後でも拒絶理由通知(Office Action)を受け取ります。5-6年目の§71の使用宣誓書を提出した登録も対象ですので、マドリッド制度により米国にも保護拡張がなされた国際登録も対象となります。

検査対象となった場合の拒絶理由通知

検査対象となった場合の拒絶理由通知には、検査対象の選択された旨が記載されており、それぞれ検査対象となった区分で2つの追加の商品又は役務について使用証明(proof of use)を提出することが求められます。この時、先に提出した使用宣誓書に問題があれば指摘され、その点についての対応も必要となります。使用証明(proof of use)は単なる使用見本(specimen)の提出よりはやや厳しい書類で、タグだけ、ラベルだけ、パッケージだけの場合は十分ではないと判断される可能性があり、実際に使用しているとの証拠も必要となります。

拒絶理由通知に対する応答

拒絶理由通知に対する応答が全ての要件を満たす場合には、受理の通知(notice of acceptance)が送付され、検査手続は終了します。ところが、拒絶理由通知に対する応答が使用証明を求められた商品を削除するのみであった場合や使用証明を伴わない場合には、残っている全ての商品又は役務についての使用証明を出すように第2の拒絶理由通知が打たれます。従いまして、一部の検査対象とされた商品又は役務について使用証拠を出せない場合には、使用証拠が出せない商品又は役務の全てを削除することが必要となります。第2の拒絶理由通知が出された後は全ての残っている商品又は役務に使用証拠を提出するか削除するかの応答となります。なお、残っている全ての商品又は役務についての使用証明を出すことが合理性を欠くほど重荷である場合には、Peitionを提出することができます。

拒絶理由通知に対して応答しない場合

最初若しくは第2の拒絶理由通知に対して応答しない場合、その検査対象となった登録が取り消しとなります。期限内の応答ができなかったことに正当な理由がある場合には、Petitionを提出して取消を回避することができます。Petitionの提出理由としては、台風などの天変地異や拒絶理由を受け取らなかったなどの理由によります。

審査官の決定に不服の場合

Petition(2.146 Petition to the Director)を提出して不服を申してることができます。

登録を取り消されないための対策

米国特許商標庁の登録後検査制度は不使用であるにも拘わらず登録を維持しているような状態を取り除くことを目的としています。対策としては、使用証拠が出せないような実際の使用がない商品や役務は削除することが求められます。特に2020年8月には、Audit後に指定商品、指定役務を削除する補正は有料になり、1つの商品(役務)あたりの削除費用が100USDとなることが予定されています。従いまして、予算に限りがある権利者にはAuditの入る前のSEC 8若しくはSEC 71の提出の5-6年目のタイミングで不使用商品・不使用役務を削除する補正をすることが求められます。特にマドリッド制度の国際登録は、最初の使用証明の提出が省略されて登録されており、指定商品・指定役務の記載も本国登録の指定商品・指定役務の記載を反映する傾向にあり、5-6年目宣誓書の提出時には細心の注意が要るものと思います。

米国、使用宣誓の証拠としてのウエブページ

インターネットで製品についての情報を提供することが一般化した今日では、米国での登録時、5年目―6年目、9年目―10年目に提出する商標の使用を証する使用証拠としてWebsiteのスクリーンショットが多く利用されています。

ウエブページは、商標の使用を証する使用証拠として、商品と関連したディスプレイ(商品表示)”display associated with the goods”を次の場合に構成します。その条件とは、i) 指定商品の画像若しくは文章を含み、ii)その商品と関連して商標が示されており、iii)その指定商品を注文する手段が提供されていることの3点です。また、2019年12月21日施行のルール改正では、そのページのURLとアクセス若しくは印刷をした日を記載することが必要となっています。ウエブページは本人のものでなくとも良く、第三者の商品販売のページ(例えば、Amazon, 楽天グローバルなど)でも利用できます。商標は商品との関連で顕著に配置されることが必要で、特に重要なのは、オーダーリングインフォメーション(注文情報/Ordering Information)につながるボタン(order, shopping cart/bagのボタンやリンク、製品からオーダーページへのリンクと”Buy Online Now”の文字)や、これに類する情報(オーダー用の電話番号、例えば”Call 1-800-xxx-xxxx to Order Now”の表示)等がそのページに配置されていることです。このオーダーリングインフォメーション(注文情報)がないウエブページは、単なるプロモーション用のページであり、売買ができないページでは商標の使用を証する使用証拠としては十分ではありません。また、証明すべき商標が、単にURLの文字列に過ぎない場合や、パンくずナビゲーションの文字に過ぎない場合などでは、その商品と関連して商標が示されるという要件が満たさないと考えられています。”Where to Buy”ボタンは単に売り先の情報を提供するに過ぎないものとして、それだけでは十分ではないとされています。また、電話番号や電子メールアドレスが、もし商標権者若しくは商標出願人へのお問合せ情報に過ぎない場合には、指定商品を注文する手段が提供されていないと判断されます。

Example 6, Mark: BROOKS BROTHERS, From TMEP
Example 11, Mark: RING IN THE NEW YEAR WITH OUR RINGS, From TMEP

米国商標制度での商標の使用は州際通商(interstate commerce)についての使用になりますから、州と州の間の取引或いは州と外国との間の取引についての使用が必要です。例えば、ある商品が日本だけで流通している場合は、州際通商とはならないので、その商品が全米のどこかの州に販売若しくは搬入されるまで待つ必要があります。また、使用証拠の対象となる使用は、恒常的な商標の使用であり、権利の維持のために使用されたものは適さない証拠となります。商品については、商標が商品に付されていて且つその商品が販売若しくは搬送されることが必要で、役務については、その役務の販売または広告で商標が表示され且つ役務が州際通商で行われることが必要です。

米国商標の使用宣誓と虚偽(fraud)行為

米国では、虚偽の行為で得た権利は行使できないというルールがあり、特許ではinequitable conductとして例えばIDS(Information Disclosure Statement)の開示が不適切な場合には、侵害訴訟で権利が存在していても権利行使できないとなります。商標でも同じ知的財産ですので、不正な行為に対しては権利失効となるのが原則です。仮に使用証明として提出した写真が実際には存在しない合成写真であった場合には、状況証拠として意図的なところも露呈しますので、権利失効となることは確実と思います。継続的使用についての宣誓書で使用すると記載した商品・役務に不使用のものがある場合はどうなるでしょうか?

Chicago downtown

判例としてMedinol standardを破棄したIn re Bose Corporation decision, 580 F.3d 1240, 91 USPQ2d 1938 (Fed. Cir. 2009)事件の内容が現段階(2016年5月時点)のルールとされていると思います。Bose事件では、Hexawaveの商標出願に対しBose社が自社のWaveという商標登録と類似であると異議申し立てを行い、その異議のHexawave社からの反訴訴因として、もう製造していない商品(Audio tape recorders and players)を含むことをそのカウンセルが知るべきであったものであり、Bose社が虚偽行為で更新をしたというものでした。カウンセルは、製造を中止しているが、商品の修理などがあるので市場で使用されていると考えていました。それ以前のMedinol standard(Medinol v. Neuro Vasx, Inc., 67 U.S.P.Q.2d 1205 (T.T.A.B. 2003))では、いわゆるshould-have-known standard(知るべきであった基準)が適用され、不使用の商品を含む更新は権利取り消しという厳しいルールでしたので、TTABはBoseの権利失効を審決しました。しかし、控訴審でのCAFCでは、USPTOに対する虚偽行為の判断基準は、should-have-known standardではなく、clear and convincing(疑いようのない) standardであると認定し、USPTOを騙そうとする意図は十分に証拠立てされておらず、権利失効ではないと審決差し戻し判決をしています。

CAFC, Washington DC
CAFC, Washington DC

使用宣誓書が虚偽であり米国特許商標庁を騙す意図があったとするためには、単なる誤記で不使用の商品・役務が混ざったとするには、十分ではないと考えられます。しかしながら、不使用の商品・役務が混ざることを知っていて、意図的に代理人に指示したというような証拠が発見されれば、権利行使できないことになる可能性は否定できません。実務的に、すべての使用宣誓書の提出時(ITUの登録時、5-6年の使用宣誓、10年毎の更新時)に不使用商品や不使用役務の補正による削除が必要となることは知っておくべきことと考えます。米国商標制度では、登録商標の指定商品、指定役務に不使用の商品・役務が混ざっていても良いのはなく、不使用の商品・役務が混ざっていては権利失効の可能性が残ることになります。

米国特許商標庁は5-6年の使用宣誓を対象に、使用宣誓書の検査制度(Proof of Use Audit Program)を始めています。これは抜き打ちで使用宣誓書の証明書の出ていない残った商品に追加の使用証拠を提出させるものです。詳しくは使用証拠の検査制度を参照ください。

マドプロ・米国の使用宣誓書の提出†

マドリッド制度の商標管理と、同時進行で米国特許商標庁に対する手続が必要

米国特許商標庁
米国特許商標庁, United States Patent and Trademark Office, Alexandria, Virginia

国際登録(マドプロ)を使用することで、米国に関しては、願書で指定するだけで出願した効果が得られ、登録の際に通常必要とされる使用証明はマドプロの場合には原則不要となります。しかし、米国を指定した国際登録では、その所有者は、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office (USPTO)による保護の付与日から5年目と6年目の間(若しくは6か月以内の延長期間)に、商業目的での継続的使用を主張する最初の宣誓供述書(Section 71のdeclaration)を米国特許商標庁に国際事務局経由ではなく直接提出する必要があります。さらに国際登録の更新自体は、国際事務局に対して書類(MM11)を提出したり、E-renewalをすることで進めることが可能ですが、米国を指定している場合には、その際の宣誓供述書は、USPTOによる保護の付与から10年毎の応答日前(若しくは6か月以内の延長期間)に米国特許商標庁に提出する必要があります。

提出される維持書類

  • Section 71の継続的使用を主張する宣誓供述書(Statement of Use)
  • 使用の証拠(Specimen of Use) — 通常の米国出願の登録時に提出するものと同じです。
  • 維持費用(Maintenance fee)–WIPOへの更新の費用とは異なる費用です。

維持書類提出(Maintenace filing)の期限

米国での保護の付与日(保護拡張の証明書発行日)から6年目(最初)、10年目(2回目)、20年目(3回目)、30年目…が期限となります。保護の付与日は登録証やUSPTOのデータベースで確認できます。維持書類の提出が可能なのは期限の1年前からです。なお、提出期限を徒過した場合でも、6か月の猶予期間があり、割増手数料を払い必要書類を提出すれば失効を回避できます。実務では最初の期限を5yr-6yr(5年目―6年目)と呼んだり、その次を9yr-10yr(9年目―10年目)と呼んだりもしています。

米国での保護の付与日を、例えば、2015年4月15日とすると
最初の維持書類の提出(5年目~6年目) 2020年4月15日から2021年4月15日
2回目の維持書類の提出(9年目~10年目) 2024年4月15日から2025年4月15日
3回目の維持書類の提出(19年目~20年目) 2034年4月15日から2035年4月15日
4回目の維持書類の提出(29年目~30年目) 2044年4月15日から2045年4月15日

old letters

維持書類の提出(first and subsequent maintenace filings)の注意点

  • 5年目の起算日は、米国での保護の付与日(保護拡張の証明書発行日)からです。この保護の付与日は、国際登録日や国際登録出願の出願日とは異なります。
  • 9年目の起算日も、米国での保護の付与日または更新された保護の付与日からです。この保護の付与日は、同様に、国際登録日や国際登録出願の出願日とは異なり、保護拡張の証明書発行日から起算されます。
  • 6年目や10年目、及びそれ以降の維持書類の提出期限を徒過した場合でも、6か月の猶予期間があり、追加手数料を支払うことで、この猶予期間内に宣誓供述書を提出することができます。
  • 継続使用のための宣誓供述書には、使用証明のための証拠書類(Specimen of Use)を添付します。証拠書類は、商標を付与した商品、商品の包装、商標付きタグを有した商標などの写真、米国での店舗の写真、カタログ、米国での取引実績のあるWEBSITEのスクリーンショットなどです。商品の広告、請求書や出荷票、プレスリリースなどは原則的には認められません。商品区分毎に少なくとも一つの使用証拠を提出する必要があります。使用宣誓の証拠としてのウエブページの解説
  • 代理人が宣誓供述書を提出する場合は、米国特許商標庁に対しては、米国弁護士の資格を有する代理人が必要です。宣伝になりますが、こちらの有明国際特許事務所 では、連邦規則§11.1に定義されている弁護士資格がありますので、米国国内の法律事務所に依頼することなく、速やかに提出が可能です。
  • 特に年数が経ってくると、所有者の住所や名称などが変わってきていることがあり、宣誓供述書を提出する場合は、これらを正しいものに修正しておく必要があります。
  • 米国では使用主義の観点から、商標を使用していない商品や役務は権利を維持できないことになり、商標を使用していない商品や役務は削除することが必要とされます。継続使用のための宣誓供述書を提出しながら商標を使用していない商品・役務について維持していくことは権利行使できないなどの事態を招く恐れがあります。日本のように、権利者が広い権利範囲を求めるというところは米国の場合は異なるものと認識すべきでしょう。詳しくは米国の使用宣誓と虚偽行為についてのページへ。また、米国特許商標庁は、使用していない登録商標の指定商品等を削除することを目的として使用証明の検査制度(Audit Program)を開始しています。
  • 登録がPrincipal Register(主登録)の場合には、Sec.15の宣誓書も同時に提出することができます。Sec.15の宣誓書を提出することで、侵害訴訟などの係争時に無効の申立をされることがなくなり、権利消滅のリスクを軽減することができます。
  • 2019年8月3日からは、出願人若しくは権利者が米国に永住権を有する者以外の外国人や米国以外の外国法人の場合、代理人なしで出願人本人によって使用証明書等を提出すること(Pro se filing)はできなくなります。これらの手続は米国での資格を有する弁護士が代理して手続を行うことが必要となり、米国特許商標庁は、米国での資格を有する弁護士とだけ連絡をとることになります。マドプロの暫定拒絶対応についても同様で、外国人は出願や使用証明書等の提出は米国弁護士なしでは出来ない手続になります。

登録後の実務について

ご相談

米国を指定した国際登録についてのご相談は初回無料ですので、費用の問い合わせも含めてお気軽にご相談ください。米国を指定した国際登録について未だ米国代理人が選任されていない場合や、拒絶通報に対応した米国代理人が既にいる場合についてもご相談をいただければと思います。有明国際特許事務所では宣誓供述書と使用証明の証拠の提出だけの代理も行っており、日本の弁理士や弁護士の方からの問い合わせやご依頼も数多くございます。またメールなどでのご相談も可能です。

有明国際特許事務所では、弁理士資格と、連邦規則§11.1に定義されている弁護士資格(イリノイ州)により、特許庁 (JPO)と米国特許商標庁(USPTO)にそれぞれ直接手続でき、現地代理人は不要です。

料金表†

項目 事務手数料(税別)*現地代理人の費用はありません。 政府機関等費用(official fee)
使用宣誓書及び使用証拠の提出 35,000円 +10,000円×区分数  (例えば1区分では、45,000円になります。) 100ドル per class
使用宣誓書提出の延長請求 20,000円(区分毎) 125ドル per class
sec.15の宣誓書提出 30,000円 +10,000円×区分数 100ドル per class

お知らせメール

商標権者の便宜のために、2015年1月から米国特許商標庁では、必要とされる継続使用の宣誓供述書の提出期限前にEメールでリマインダー(お知らせ)を受けるための登録を受け付けています。E-メールのリマインダーは、権利維持のための書類の提出期間の初日に送られます。E-メールはUSPTOで登録されている連絡先と現在の所有者情報のところにある全てのE-メールアドレス(国際出願の代理人も含む。)に対して送られます。

米国商標についての有明国際特許事務所が提供するサービス

アメリカ合衆国(米国)での商標権の取得のためには、商標出願や使用宣誓書などの種々の書類を提出する必要があります。有明国際特許事務所 では、米国内の法律事務所を介さずに、米国特許商標庁(USPTO )に対して直接の代理人として出願を行うことができ、時差がなく日本語でのコミュニケーションから素早く事務処理することができます。弁護士費用についても日本の特許事務所と米国の法律事務所の合計額にはならず、十分にリーズナブルなものとされます。国際登録出願(マドプロ)についても使用宣誓書(5年目および9年目)や使用証明の提出が可能です。2019年8月3日から外国人(外国法人を含む)の米国特許商標庁への出願や応答、権利維持のための書類については、米国資格の弁護士(US-Licensed Attorney)の代理が必須となります。

有明国際特許事務所は、連邦規則§11.1に定義されている弁護士資格がありますので米国特許商標庁に直接手続を致します。
Washington DC

1.米国への商標登録出願

米国特許商標庁に対し、the Trademark Electronic Application System(TEAS)を使用しながら連邦商標登録出願を行います。必要な情報は、
•出願人情報(名前、企業形態、住所、国籍)
•商品区分の表示
•出願の基礎(Filing Basis)情報
•商標見本(JPGファイルか文字商標)
•翻訳(英語では意味が不明な場合)等になります。

2.米国商標の取得可能性調査

米国特許商標庁が提供するTrademark electronic Search System (TESS)を使用して、選んだ商標が米国で登録する際に障害となるような他人の商標を検索します。

3.拒絶理由通知(Office Action)の対応

米国の審査官から、出願した商標の商品区分の表示が適切でないなどの指摘を受けることがあります。この場合には、指定商品を削除したり、限定したり、あるいは広い意味を持つ言葉を狭い意味の言葉に限定するなどの作業が必要です。一般的に、米国の商標審査官は、”apparatus”や”device”というような特許側ではクレームの用語として典型的に使用されている言葉を嫌います。すなわち、出願の補正により、もっと狭い意味の商品区分の表示に変える必要があります。また、出願人の情報やその部分が正しくない場合も、補正することができる場合もあります。また、拒絶理由が類似の先登録がある(likelihood of confusion)場合や、識別性欠如(merely descriptive)の場合には、商品・役務の範囲を補正することを考えながら、審査官の意見に反論することも必要であったりします。

4.宣誓書の提出

米国で商標権を取得するため、あるいは取得した権利を維持するため、さまざまな段階で宣誓書(Affidavid)を提出する必要に迫られる場合があります。当事務所ではAllegation of Use, Statement of Use の審査前/登録の際に必要な宣誓書を米国国内の弁護士を必要とせずに提出することができます。この使用宣誓書の提出に加え、登録から5年目~6年目の間に必要なSection 8, Section 15の各宣誓書や、更新時の9年目~10年目の間に必要なSection 8, Section 9の各宣誓書を提出することができ、提出しなければ権利は失効することになります。また、登録時にStatement of Useが準備できない場合には、延長を申請することになりますが、この延長請求についても弊所で代理して、現地代理人を介さずに手続きをすることができます。

Chicago Downtown

5.更新手続

米国での商標権の更新期限は10年毎で、登録から9年目から10年目の満期日までに更新手続きを行います。期限を過ぎた場合でも6か月の猶予期間があります。更新の際には、商標の使用の事実を証明するために、Section 8, Section 9の各宣誓書を提出する必要があります。また、使用証明には、サンプル(Specimen)が区分毎に必要です。商標を使っていない商品については、登録対象から削除する必要があります。

6.国際登録出願(マドプロ)

日本の商標登録出願若しくは権利を基礎としたマドリッドプロトコル出願(国際登録出願)について、米国の審査官から拒絶通報を受けることがしばしばあります。このような拒絶通報に対して、当事務所から指定商品や指定役務の表示を補正する補正書を提出したり、翻訳の補充などを行うことで対処が可能です。また、マドプロ出願についても、権利を維持するためには、登録から5~6年の間、および10年ごとの更新時(10年目前の半年間)に必要なSection 71の宣誓書(§71 affidavid)を提出する必要があり(TMEP SEC1613)、Section 15の宣誓書(incontestability)を提出することができます。 詳しくはマドプロ米国指定の使用宣誓書の提出ページへ

7.米国を本国とする国際登録出願

米国に本社がある米国法人に対しては、米国連邦登録を本国登録とする国際登録出願(E-filing)を進めることができます。日本を指定国とする国際出願については、そのまま日本の拡張部分について代理することができます。

8.米国商標の移転

米国の商標権は、所定の譲渡証書と共にオンラインで移転手続をすることが可能です。必要な譲渡証書は、こちら側で準備が可能で、移転登録に際して署名した書面をPDFで添付することが行われます。一度に複数の商標権も移転可能です。