国際登録出願(マドプロ)の様式MM2~MM21の解説

マドリッド制度 (マドプロ)

国際登録出願(マドプロ)制度を利用することで、単一の手続、単一の言語及び単一の通貨において、100カ国(加盟国一覧:2018年1月時点)に対して一括で商標の保護を求めることが可能です。複数の国で同じフォーマットの様式を使用することで、手続の効率化が確保されています。以下の説明では、日本を本国(Origin)とする場合の手続きで説明します。また、国際事務局(International Bureau)はWIPOとも表記しています。なお、様式ダウンロードの各リンクは、JPOは特許庁の様式サイトへのリンクで、WIPOは国際事務局の様式サイトへのリンクとなります。平成30年1月には様式MM2, MM4, MM11に締約国インドネシアが追加されています。

"WIPO" photo by Vllle Oksanen / CC BY-SA 2.0, converted from .jpg to .png
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様式の一覧表
 

マドリッド制度 様式(MM2~MM21)の解説

MM2

MM2  国際登録出願願書 (Application for international registration governed exclusively by the Madrid Protocol)
提出先 本国官庁(Office of Origin)であり、日本では特許庁になります。WIPOに直接送ることはできません。なお、オーストラリアとベネルクスではE-filingが可能(内国民向け)です。米国もTEASiを導入済みです。
提出時期 特に限定されていませんが、基礎出願の後にはなります。本国の基礎登録か基礎出願が必要です。
言語・通信 英語、フランス語、スペイン語のMM2がありますが、日本は本国官庁として英語を選択しており、国際出願時には、指定商品・指定役務の表示を含め、願書を英語で作成する必要があります。なお、願書の代理人欄で電子メールアドレスを記載することにより、この国際出願及びその後の国際登録に係るWIPOからの通知は、電子的にのみ送付され、書面による通知は送付されなくなります。
内容・備考 参考訳 欧州連合(EM)を指定国とした場合、第2言語の選択が必要です。米国を指定国とする場合、米国によって要求される標章を使用する意思の宣言書(MM18)を当該出願に添付しなければならないとされています。 特許庁が受理した日(到達主義)が原則的に国際登録日とされますが、特許庁がMM2を受理した日から2月以内にWIPOが受理しない場合には、WIPOが受理した日が国際登録日とされます。
【新たな加盟国へ出願する場合】
新たな加盟国におけるマドリッド協定議定書の発効日に当該加盟国を指定して出願又は事後指定をする場合など、新加盟国に対応した様式がWIPOホームページからも入手できない場合には、各様式の「DESIGNATIONS(指定締約国)」欄(MM2第11欄、MM4第4欄)にある「Others:」に当該国名を記入することでも指定が可能です。
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MM4

MM4 事後指定書(Designation subsequent to the international registration)
提出先 本国官庁またはWIPOになります。本国官庁はWIPOに転送します。E-Subsequent Designation(Website)も可能です。
提出時期 国際登録後であれば、事後指定は可能です。
言語・通信 英語
内容・備考 事後指定は、国際登録の登録後に、新たな領域(加盟国)についての保護を拡張したり、登録となっている範囲内で指定商品(指定役務)を追加する手続になります。欧州連合(EM)を事後指定の指定国とした場合、第2言語の選択が必要です。優先順位(seniority)の主張する場合には、MM17も必要です。米国を事後指定の指定国とする場合、米国によって要求される標章を使用する意思の宣言書(MM18)を当該指定書MM4に添付しなければならないとされています。E-Subsequent DesignationであればCredit Cardを支払いに使用できます。エストニア、インド、ナミビア、フィリピン、トルコについては、事後指定できる期間が限定されており、エストニアは1998年11月18日より前、インドは2013年7月8日より前、ナミビアは2004年6月30日より前、フィリピンは2012年7月25日より前、トルコは1999年1月1日より前に出願された国際登録は事後指定できない(Subsequent designation)ものとされます。
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E-subsequent designation
E-subsequent designation at WIPO Website

EFORMS presentation video、3:07、 E-forms WIPO Madrid from UIBM (イタリア特許商標庁)英語版

MM5

MM5 国際登録の名義人変更の記録の請求書(Request for the recordal of a Change in Ownership)
提出先 WIPOに直接か、譲渡人または譲受人の官庁経由でも可能です。
提出時期 国際登録後はいつでも可能
言語・通信 名義人変更について、日本の特許庁を経由する場合は英語です。直接WIPOであれば、英語、仏語、スペイン語が使用できます。電子メールアドレスを記載することにより、国際登録に係るWIPOからの通知は、電子的にのみ送付され、書面による通知は送付されなくなります。
費用 177CHF(スイスフラン)、日本の特許庁を経由する場合、+4,200円です。
内容・備考 MM5は名義変更(所有権移転)です。譲渡書などの所有者移転の証拠となる書類をWIPOに送る必要はありません。名称変更・住所変更はMM9になります。譲受人の新代理人の選任もMM5で可能です(MM12も可能)。代理人の署名又は捺印で進めることができますが、譲受人の代理人の選任の部分[5]には、譲受人の署名又は捺印が必要です。
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MM6

MM6 商品及び役務の一覧表の限定の記録の請求書(Request for the recordal of a Limitation of the List of Goods and Services)
提出先 WIPOに直接になります。
言語・通信 英語 WIPO宛先の電子メールへのMM6のPDFファイルの添付でも可能です。
費用 177CHF(スイスフラン)、日本の特許庁を経由する場合、+4,200円です。
内容・備考 商品及び役務の一覧表の限定は、全部もしくは一部の指定国で可能です。この限定は、指定国での拒絶通報や職権での拒絶に対応します。もし商品及び役務を永久に削除する場合にはMM8を使用し、全部ではなく一部の指定国で全部の商品及び役務を放棄するにはMM7を使用します。同じ所有者には、1つのMM6で複数の国際登録の商品及び役務の一覧表の限定に用いることが可能です。
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MM7

MM7 放棄の記録の請求書(Request for the recordal of a Renunciation)
提出先 WIPOに直接になります。
内容・備考 全部ではなく一部の指定国で全部の商品及び役務を放棄するにはMM7を使用します。指定商品・指定役務は一覧表に残りますが、放棄するとした指定国ではその指定商品・指定役務の効果かないことになります。
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MM8

MM8 国際登録の取消の記録の請求書(Request for the recordal of a Cancellation of the International Registration)
提出先 WIPOに直接になります。
内容・備考 全部の指定国で全部の商品及び役務を放棄する(total cancellation)にはMM8を使用します。また、全部の指定国で一部の商品及び役務を放棄する(partial cancellation)にもMM8を使用できます
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MM6~MM8の比較

Limitation (限定)MM6 Renunciation (放棄)MM7 Cancellation (取消)MM8
商品・役務 一部 全部 一部若しくは全部
指定官庁 一部若しくは全部 一部 全部
事後指定 可能 可能 できない
費用 177CHF 無料 無料

表はWIPOのサイトより抜粋

MM9

MM9 名義人の氏名若しくは名称又は住所の変更の記録の請求書(Request for the recordal of a Change in Name and/or Address of the Holder)
提出先 WIPOに直接になります。
内容・備考 MM9は名義人の名称や住所が変わる場合に使用されます。譲渡のように名義人が変更される場合にはMM5を用います。2017年7月からMM9には、legal nature of holderの記載が可能となり新様式となっています。MM9を用いて法人の法的性質(limited liability company, cooperative, corporationなど)を追加又は変更することができます。国際事務局へ支払う手数料は150CHF(スイスフラン)ですが、電話番号、fax番号及びE‐mailアドレスの変更は手数料免除です。
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MM10

MM10 代理人の氏名若しくは名称又は住所の変更の記録の請求書(Request for the recordal of a Change in Name and/or Address of the Representative)
提出先 WIPOに直接になります。
内容・備考 MM10は代理人の名称や住所が変わる場合に使用されます。新規の代理人の選任にはMM12が使用されます。1つのMM10で複数の国際登録に関する代理人の名称、住所を変えることができます。
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MM11

MM11 存続期間の更新申請書(Renewal of the international registration)
提出先 WIPOに直接か、権利者の官庁経由でも可能です。またWIPOのwebsiteからE-renewalも可能です。
提出時期 2017年7月6日より、更新のオンライン請求は、国際商標登録の満了3ヶ月前から利用できるようになっています。国際登録の名義人と代理人には、存続期間の満了6カ月前に正確な満了日についての通知がなされます。50%の割増手数料を払うことで6カ月の猶予期間での手続も可能です。
言語・通信 日本の特許庁を経由する場合は英語です。直接WIPOであれば、英語、仏語、スペイン語が使用できます。
内容・備考 1つのMM11で更新できるのは1つの国際登録だけです。E-RenewalであればCredit Cardを支払いに使用できます。
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E-Renewal at WIPO Website
E-Renewal at WIPO Website

MM12

MM12 代理人の選任の届出書(Appointment of a representative)
提出先 国際登録や事後指定などでは、本国官庁(特許庁)へも可能ですが、基本的にはWIPOに直接提出します。
提出時期 国際登録後であれば、代理人の変更及び新たな代理人の選任は可能です。国際登録簿に代理人として記録できるのは1名だけになりますので、新たに代理人を選任すると元の代理人の記録は上書きされます。代理人の選任のため独立の書類を作成しなくとも、それぞれの手続様式の必要項目に代理人名などを記入することで選任することもできます。
内容・備考 新たな代理人の選任はMM12ですが、代理人の氏名、住所の変更はMM10を使うことができます。
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MM13

MM13 ライセンスの記録の申請書(Request for the Recording of a License)
提出先 WIPOに直接になります。
提出時期 登録後は何時でも
内容・備考 ライセンスとして、ランセンシーの氏名又は名称、指定国又は指定国の一部領域内、商品及び役務の全部又は一部、ライセンス期間、ライセンスの種類を記録できます。証拠立てる書類はWIPOに送ってはならないとされています。Australia, Germanyでは、ライセンスの記録は効果を持ちませんので、国際登録でも効果はないものとされています。 China, Georgia, Greece, Japan, Kyrgyzstan, Lithuania, Republic of Korea, Republic of Moldova, Russian Federation and Singapore の各国では、ライセンスの記録制度があるものの、国内法での手当てがないので、国際登録のライセンス登録は効果がないものとされています。従って、これらの国ではそれぞれ国内法に順守した登録作業が必要になります。国際事務局へ支払う手数料は177CHF(スイスフラン)です。
費用 177CHF(スイスフラン)
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MM14

MM14 ライセンスの記録の修正の請求書(Request for Amendment of the Recording of a License)
提出先 WIPOに直接になります。
提出時期 ライセンス記録後は何時でも
内容・備考 国際登録簿に記録されたライセンスの内容を修正できます。国際事務局へ支払う手数料は177CHF(スイスフラン)です。
費用 177CHF(スイスフラン)
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MM15

MM15 ライセンスの記録の取消の請求書(Request for Cancellation of the Recording of a License)
提出先 WIPOに直接になります。
提出時期 ライセンス記録後は何時でも
内容・備考 国際登録簿に記録されたライセンスの内容の全部又は一部を取り消すことができます。
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MM16

MM16 切替から生ずる事後指定(Subsequent Designation resulting from Conversion (European Union))
提出先 事後指定に転換する場合はMM16をEUIPO(欧州連合知的財産庁)を通じて提出する必要があります。本国官庁としての特許庁には提出できません。
提出時期 欧州連合を領域指定する国際登録が取り下げ、拒絶、又は効力を失った場合(3か月以内)になります。
内容・備考 欧州連合を領域指定する国際登録が取り下げ、拒絶、又は効力を失うと、各加盟国への事後指定に転換する請求ができます。この枠組みが”Opting-back”と呼ばれており、欧州連合の各国の直接出願に転換するか、マドリッド制度上の事後指定に転換するかを国際登録の名義人は選択することができます。
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MM17

MM17 優先順位の主張(Claim of Seniority (European Union))
提出先 本国官庁としての特許庁に提出します。
提出時期 MM2(願書)と同時に提出します。後日提出することはできません。
言語・通信 英語
内容・備考 欧州連合を指定国とする国際登録出願の場合、欧州連合の加盟国内で同一人の既登録と同一の標章を国際登録出願する場合、先の登録の優先順位(seniority)を主張することができ、その主張の場合にMM17を提出します。優先順位(seniority)の主張については欧州連合知的財産庁(EUIPO)で審査されます。
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MM18

MM18 標章を使用する意思の宣言書(Declaration of intention to use the mark (United States of America))
提出先 本国官庁としての特許庁に提出します。
提出時期 MM2(願書)と同時に提出します。
言語・通信 英語限定です。
内容・備考 アメリカ合衆国の使用主義に対応した様式で、商標の使用についての宣誓を必要としています。もし、MM18の添付がなく、本国官庁で受理の日から2ケ月以内にWIPOがMM18を受理すれば、MM18は出願と共に提出されたとみなされますが、その2か月以内にWIPOがMM18を受理しなければ、米国の指定はなかったものとなり、指定手数料は払い戻しとなります。事後指定の場合は、不備の通知から3か月の補正期間が与えられます。この場合、3か月以内に不備が解消されなければ、事後指定は全体として放棄されたものとみなされ、指定手数料は払い戻しとなります。[2017.5](5)を追記したフォーマットになっています。
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MM19

MM19 名義人の処分権の制限(Request for the recording of a restriction of the holder’s right of disposal)
提出先 WIPOに直接になります。
内容・備考 この様式の使用は、強制ではなく、推奨です。費用の支払いはなく、WIPOに証拠の書類を送る必要もありません。
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MM20

MM20 継続処理の請求書(Request for continued processing)
提出先 WIPOに直接になります。
提出時期 提示された応答期限より2月を越えない範囲内です。当該期間を厳守できなかった場合については、継続手続の請求は認められないことになります。
内容・備考 新たに規定された第5規則の2は、出願人や名義人が国際事務局に対する応答を期間内に行えなかった場合に、継続手続の請求をすることにより、国際事務局に手続の救済を行えるようにするものです。
処理の継続については以下の期間途過のみ請求可能です。i)規則11(2)20bis(2),、24(5)(b) 又は 26(2) に基づく欠陥通報に対する応答, ii)規則11(3) に基づく料金の支払い, iii)規則34(3)(c)(iii) に基づく個別手数料における第二段階の料金納付, iv)規則39(1) に基づく承継国への国際登録の効果継続に関する請求及びこれに係る料金の支払い。 処理の継続は、期間途過に関するもの以外には用いることができません。継続手続では、MM20の様式を用い、国際事務局に請求した上で、200CHFを支払うことになります。
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MM21

MM21 記録の訂正の請求書(Request for the correction of a recording)
内容・備考 WIPOに起因する誤記は、名義人若しくは官庁の請求があれば、いつでも訂正できます。官庁に起因する誤記は、その訂正が権利に影響する場合に、国際登録の公開の日から9カ月以内であれば、その官庁からWIPOに請求されれば訂正できます。出願人、名義人、代理人に起因する誤記は、訂正されないものとなります。
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Contact Madrid

世界工業所有権機関(WIPO)にマドリッド制度での各種様式の提出や問い合わせは、Contact Madrid(コンタクトマドリッド)を通じて簡単に行うことができます。利用方法は、先ず、WIPOのWebsiteにアクセスし、Website上の窓口であるContact Madridのページ(https://www3.wipo.int/contact/en/madrid/)に行きます。Contact Madridでは、コンピュータ内のファイルをアップロードすることができ、予めマドリッド制度の各種様式をダウンロードして所定の記入を行い、様式の記入が終わればContact Madridを通じその記入した様式をWIPOに直接送信することができます。郵便代やFAX代もかからず便利です。

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Fee Calculator

世界工業所有権機関(WIPO)のマドリッド制度を利用して国際登録を出願する場合や更新する場合のオフィシャル料金をFee Calculatorによって表示させることができます。対応しているのは、出願時の費用(MM2)、2段階の場合の費用、事後指定の場合の費用、更新に必要な費用です。本国官庁(Office of Origin)、区分数(Number of Classes)、Type(new application, subsequent designation, new tax-2nd part fee, renewal), Colour, Collective mark, certification mark, or guarantee markの選択ができます。

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