韓国知的財産庁(KIPO) vol.14 商標_動画(embedded)

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社会通念上同一と認められる商標

平成8年改正商標法における不使用取消審判の改善では、登録商標の使用と認める範囲を社会通念上同一と認められる商標まで広げています。どこまでが社会通念上同一という境界を探ることで、どの程度の幅を以て登録商標からの差異が容認されるのかを知ることができ、また不使用取消を請求する際に請求するか否かの判断の基準ともなります。

登録商標と使用商標の関係

社会通念上同一か否かは登録商標に係る指定商品 及び指定役務の属する産業分野における取引の実情を十分に考慮し、個々具体的 な事例に基づいて判断すべきとされています。審査基準には、次のような例が挙げれています。①書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、②平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであっ て同一の称呼及び観念を生ずる商標、③外観において同視される図形からなる 商標は社会通念上同一と認められるという原則が挙げられています。以下の表で、“使用”は社会通念上同一と認められるという判断になります。

登録商標 使用商標 説明 使用/不使用
鳥獣の戯 鳥獣の戯 fontを変更 使用
鳥獣の戯 鳥獣の戯 書体を変更 使用
鳥獣の戯 鳥獣の戯 筆記体の使用 使用
鳥獣の戯 鳥獸の戲 旧字体と新字体 使用
CHYOJYU-NO-GI chyojyu-no-gi 大文字と小文字 使用
 ちょうじゅうのぎ  チョウジュウノギ 平仮名と片仮名 使用
鳥獣の戯  ちょうじゅうのぎ 漢字と仮名 使用
バード or ばーど Bird 仮名と英字 使用
2段書きの1段 使用
  Bird 2段書きの1段 使用
縦書きと横書き 使用
     背景が異なるが外観がほぼ同一 使用
 鳥  Bird  同一概念 不使用
 蛙    文字と図形

(同一概念)

不使用
図形が相違

(同一概念)

不使用
ロード ROAD or LOAD 多義語に対応 不使用

不使用は社会通念上同一とは認められないという判断になります。

不使用取消審判の解説†

不使用取消審判

  
不使用取消審判は、使用していないことを理由に、競合するような他人の商標登録を取り消す手続です。商標調査の結果や出願の審査段階で、欲しいと思う商標に競合する他人の商標があったときでは、不使用を理由とする取消審判を請求することで、その競合する他人の商標を取り除くことが可能です。

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どのような場合に不使用取消審判を請求できますか?

典型的には次のような状況で不使用取消審判を請求します。
A.商標調査を行った結果、使用する予定の商品やサービスの範囲に、欲しいと思う商標と同一または類似の先に登録された他人の商標がある場合、その他人の商標を取り消すように求めるとき。
B.出願後、審査の段階で先に登録された他人の商標を理由に拒絶理由を通知された場合(すなわち商標法第4条第1項第11号を理由とする拒絶理由の場合)、意見書や補正書の提出と並行するように請求するとき。これは、通常、上申書により意見書の提出を審査官の方で不使用取消審判の決審まで待ってもらいます。交渉によるアサインバック(Assign Back)とは別の選択ともなりますが、アサインバックと不使用取消審判を同時進行させる方策もあります。

不使用により取消されるとどうなりますか?

取消が認められば、その商標権は消滅します。詳しくは不使用取消審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、不使用取消審判の請求の登録日まで遡及して取消審決の確定の効果を与えます(商標法第54条2項)。従いまして、自分の欲しいと思う商標との競合関係が解消され、拒絶理由の解消や自分の商標を登録することができるようになります。また、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定した時に取り消されますので、裁判所に審決取消を求めている状態では審決が確定していないので、まだ取り消されていないことになります。

取消されるべき不使用とはどのような状況でしょうか?

審判の請求の登録日を基準に考えて、その時点から過去3年間日本国内で登録にかかる商標が指定商品若しくは指定役務について使用されていない場合、取消対象となります。ただし、専用使用権者や通常使用権者が使用している場合や、まだ、登録から3年も経っていない場合は、不使用には該当しません。審判の請求前3月から請求の登録日までの間にされた使用について、その使用が審判の請求がされることを知った後であることを請求人が証明したときは、その使用について正当な理由がない限り、登録商標の使用をしたものとしては認めないこととしています。所謂駆け込み使用を防止するためで平成8年より導入されています。また、社会通念上同一と認められる商標については使用があるものと判断されます。審判の請求の登録日から遡った過去3年間を要証期間といいます。審判請求が受理された日から通常2週間程度で審判の予告登録がなされ、その予告登録の日が審判の請求の登録日です。商標権者に審判請求書の副本が送達される前に、出願時の代理人に審判事件の代理をするか否かの問い合わせが特許庁より代理人にFAX送信されることが慣行されていまして、ずれ込むこともありますがそのFAXの発信日が予告登録の日となるケースが多いものと思います。

誰が不使用取消審判を請求できますか?

法人、自然人を問わずだれでも不使用取消審判を請求できます。利害関係人には限定されておりません。

どのような資料や証拠が必要でしょうか?

不使用取消審判では、請求された商標権者が使っていることを証明をする必要があります。挙証責任が請求人側には当初ないことから、請求人側は実体的な証拠を出す必要がない場合が多いです。被請求人側である商標権者側は、登録商標の使用を証明するための証拠を出すことになりますが、登録商標の使用と認める範囲は「社会通念上同一と認められる商標を含む。」と明記されています。その例示として、i)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、ii)平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、iii)外観において同視される図形からなる商標が挙げられます。登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用は不使用取消審判では使用に該当します。

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成功する不使用取消審判

不使用取消審判の成功率は一般に8割程度です。これは使用していないことについて、ある程度の確信を以て審判請求される場合が多いからと思われます。取消にかかる指定商品や指定役務は、通常、競合が生ずる範囲だけを限定しますので、その範囲を狭すぎず広すぎないようにすることが重要です。また、商標調査の結果で不使用取消を請求する場合、1つの競合する商標だけに着目して他の商標を見落とさないように、複数の重なるような権利状況になっているのかいないのかを確認する必要もあります。また、不使用取消審判が請求される場合、同じ審判請求人から取消対象の範囲で同一若しくは類似の商標が出願されることがほぼ間違いなく行われます。これは取消審判の結果を待って、審判請求人が競合する範囲の出願をした場合には、先に被請求人が出願をしてしまえば、先後願の関係で被請求人が優位に立ち、不使用取消を請求が無意味になるからです。

不使用取消審判を請求する場合のリスク

不使用取消審判を請求することは、勝手に相手の権利を消滅させる手続きを開始することになるため、請求人はその商標がなくなることに何かのメリットがあることがほとんどです。仮に不使用取消が失敗した場合では、商標権は存続しつづけますので、その権利範囲の使用は侵害行為にあたる場合も多いと考えられます。従いまして、不使用取消審判の請求が不成立の場合、契約やライセンスで何とかするか或いはその商標をあきらめることを覚悟する必要があります。

不使用取消審判で被請求人が証する使用の証拠

被請求人の場合、取消を免れるには、審判請求の登録の日から3年前までの過去(要証期間と言います。)の証拠を提出する必要があります。一般には、納品書、領収書、カタログの頒布や広告の有る雑誌、新聞などへの掲載などの資料を挙げることになります。宣伝の事実などの場合には、パンフレット、カタログ等とそれを裏付ける陳述書などでも可能です。インボイスなどの取引書類も使用の証拠とすることができますが、日付を証明する必要があり、外国語の物であれば国内での頒布も証明する必要があります。ウエブサイトも広告として機能させることができますが、要証期間にそのような掲載があったことを証明する必要があり、The Internet Archiveのwebsite(URL http://www.archive.org)に保存されているものがあれば、それを証拠とすることも可能です。なお外国語のwebsiteの場合、国内という要件を満たすように証拠を挙げる必要があります。

正当理由の主張

もし審判請求の登録の日から3年前までの過去で日本国内での使用がない場合でも、その不使用に正当な理由があれば取消を免れることができます。一般に、医薬品の製造許可申請や農薬登録申請などの作業は、申請が要証期間内であれば正当な理由として認められる傾向にあります。国内にいなかった、店舗の準備に時間がかかる、その製品の特許査定を待っているなどは正当理由として否定された事例があります。また、商標権を譲渡された場合でも、不使用にはかわりないとされた事例もあります。

一事不再理の適用は?

不使用取消審判が請求され、その請求が成り立たないとした審決が得られ確定したとしても、後日同じ指定商品指定役務の範囲で再度不使用取消審判を請求することもできます。これはそれぞれの不使用取消審判にかかる要証期間が異なっており、要証期間が異なれば一事不再理の適用はないと判断された審決例があります(取消2015-300125)。

審判請求、被請求の費用†

不使用取消審判を請求するには、特許庁に払う費用として、55,000円(1区分)かかり、区分が増加するごとに40,000円がかかります。当事務所に依頼の場合の請求人の代理手数料費用は、事件にもよりますが一般的に、110,000円+taxで、成功報酬(成功時のみ、区分毎)は40,000円+taxとなります。不使用取消審判の被請求人の場合には、特許庁に審判請求に関して払う費用はありませんが、当事務所に依頼の場合の被請求人の代理手数料費用は、一般的に140,000円+taxで、成功報酬(成功時のみ、区分毎)は40,000円+taxとなります。通常、不使用取消審判を請求する場合には、請求する前に取消の成功可能性についての調査とコンサルティングを行いますが、インターネット調査(コンサルティング込み)は20,000円~、調査会社を入れる場合には50,000円~となります。また、往々にして口頭審理(準備書面の提出を含み90,000円)となることがあり、もし口頭審理が東京以外の場所で開催される場合には、交通費もお願いするところとなります。

審判廷

商標法上の審判の解説

審判は、審査よりもより裁判に近い形式で審判官が審理するものです。自己の出願についてなされた審査官等の判断(査定等)に対して行う査定系審判と、すでに商標登録されたものに対して主に当事者間の紛争を解決するために行う当事者系審判とがあります。また、当事者系審判には登録無効審判と登録取消審判とがあり、登録無効審判の場合、無効審決が確定すると、原則として権利は初めからなかったものとなります。一方、登録取消審判の場合、取消審決が確定すると、審判請求登録日かその審決確定の後に権利がなかったものとなります。また、審理の方式には口頭審理と書面審理とがあり、当事者系審判は口頭審理が原則ですが、当事者の申し立て又は職権により書面審理とすることもできます。

Ⅰ.査定系審判

 A.拒絶査定不服審判(商標法第44条)

自己の出願について拒絶査定がなされた場合に、不服を申し立てる審判です。なお、自己の出願について登録査定がなされた場合は、不服を申し立てることは考えられませんので、この審判を請求することはできません。他人の登録査定について不服を申し立てる場合には、登録されてから以下の登録異議申立や登録無効審判が請求できます。また、拒絶査定謄本送達の日から30日以内に請求することが必要です。

 B.補正却下不服審判(商標法第45条)

自己の出願について、内容を補充・訂正する場合は、補正の手続きをしますが、その補正の手続きについて却下される場合があります。その却下処分に対して不服を申し立てるのがこの審判です。なお、決定謄本送達の日から30日以内に請求することが必要です。

Ⅱ.当事者系審判

 A.無効審判

  1.登録無効審判(商標法第46条)

登録に不備のあることを理由にその登録の無効を請求する審判です。紛争解決手段として利用されますので、この審判を請求するには利害関係が必要とされます。無効審決が確定すると、原則として商標権は初めから存在しなかったのものとみなされます。なお、無効理由によっては、5年以内に請求することが必要な場合があります。

 B.取消審判

  1.不使用による取消審判(商標法第50条)

3年間日本国内で権利者の誰もが登録商標を使用していないことを理由に登録の取り消しを求める審判です。商標は使用されなければ誰の商標か区別できず、保護に値しないため、一定期間不使用の登録商標は誰でも登録の取り消しを請求できます。この審判の請求によって取消審決が確定すると、商標権は審判請求登録日から消滅したものとみなされます。詳しくは不使用取消審判へ。

  2.商標権者の不正使用による取消審判(商標法第51条)

商標権者が紛らわしい商標の使用をしていることを理由に登録の取り消しを求める審判です。例えば、登録商標に似た商標を使用することにより、他人の商品と誤認させたり、その他人と関係があるものと混同させたりした場合が該当します。制裁措置として、誰でも請求できます。この審判の請求によって取消審決が確定すると、商標権はその後消滅します。なお、不正使用の事実がなくなった日から5年以内に請求することが必要です。

  3.使用権者の不正使用による取消審判(商標法第53条)

使用権者が紛らわしい商標の使用をしていることを理由に登録の取り消しを求める審判です。商標権者の監督義務違反という性質もあり、誰でも商標登録そのものの取り消しを請求できます。この審判の請求によって取消審決が確定すると、商標権はその後消滅します。なお、不正使用の事実がなくなった日から5年以内に請求することが必要です。

  4.商標権移転の結果の混同使用による取消審判(商標法第52条の2)

商標権が移転された結果、商品の類似範囲内で同じ登録商標が別々の権利者の所有となる場合があります。この場合、それぞれが登録商標を使用することによって需要者等が誤認混同した場合には、誰でも登録の取り消しを請求できます。なお、一方の権利者が他方の権利者に紛らわしくならないような表示を求めることもできます。この審判の請求によって取消審決が確定すると、商標権はその後消滅します。なお、不正使用の事実がなくなった日から5年以内に請求することが必要です。

  5.代理人等の不当登録による取消審判(商標法第53条の2)

代理人等が商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその商標を登録した場合に、商標に関する権利を有する者がその商標の取り消しを求める審判です。例えば、外国の商標権をもっている会社の日本代理店がその会社の承諾を得ないで、その会社の商標を登録した場合が該当します。この審判の請求によって取消審決が確定すると、商標権はその後消滅します。なお、商標権設定登録日から5年以内に請求することが必要です。

明治時代の商標審決録
明治時代の商標審決録

Ⅲ.登録異議申立(商標法第43条の2)

登録異議を申し立てることによって取消決定が確定すると、商標権が初めから存在しなかったのものとみなされる点で、登録無効審判に似たものです。再審査してもらうといった性質のものですので、誰でも申し立てることができます。なお、登録を維持する旨の決定がなされた場合には、その決定に対して不服を申し立てることはできません。また、商標掲載公報発行日から2ヶ月以内に申し立てることが必要です。詳しくは登録異議申立て

Ⅳ.判定(商標法第28条)

商標権の効力について特許庁の見解を求めるものです。自己の権利が侵害されているか、又は他人の権利を侵害しているかを判断する目安となります。なお、判定は鑑定的なものであり、行政処分ではありません。また、判定の内容について不服を申し立てることはできません。なお、判定は何回でも請求することができます。

審判廷